恋する灯台ツアー in 伊王島 実施レポート【長崎県長崎市 伊王島灯台】

2018/11/24

「恋する灯台」とその周辺の魅力的なスポットをめぐる「恋する灯台ツアー」。その第2弾が、10月28日(日)に実施されました。 舞台は九州、長崎市から車で40分ほどの伊王島。2011年に長崎市本土とを結ぶ伊王島大橋が開通して以来、車で気軽に行けるアイランドリゾートとして注目を集めています。 そして、島の北端から長崎港に出入りする船を見守る伊王島灯台が、今回のツアーで訪ねる「恋する灯台」。 時は江戸末期の1866年、欧米4カ国の求めに応じて設置が定められた8基の一つで、日本の灯台史の黎明期に生まれた最長老格の灯台です。その後、長崎に落とされた原子爆弾の爆風により大きく損傷し、別の形に再築されましたが、2003年に当初の六角形に復元。幸いにして損傷を免れたドーム型の天井部分は140年以上経た現在もそのまま使われ、激動の歴史を今に伝えています。 今回の参加者は8組・16名。うち6組がカップルという、「恋する灯台ツアー」にふさわしい一行となりました。 当日は晴天に恵まれ、うららかな日和。午後2時に長崎駅に集合した一行、さっそくバスに乗り込み、ツアースタートです。今回も案内役は「灯台女子」の不動まゆうさん。 最初に訪れたのは、島のシンボルとも言える「馬込教会」。島原の乱以降、隠れキリシタンがこの島に多く移り住んだといい、現在も住民の多くがカトリック信徒です。この教会も、人々の大切な祈りの場となっています。 そしていよいよ、伊王島灯台へ。 ただ訪ねるだけでなく、まず海からその雄姿を鑑賞!ということで、さっそく島の船着場へ向かい、チャーター船に乗り込みます。その名も「さるくⅢ号」。 「さるく」とはこの辺りの方言で「ぶらぶら歩きまわる」というような意味です。散歩気分で海上クルーズというわけですね。当日は海も穏やかだったので島を一周していただけることになり、一行はしばしのんびりと海を「さるき」ます。 ほどなく灯台が視界に入り、それぞれ船べりに集まって鑑賞タイムが始まりました。断崖の上で1世紀以上も風雨に耐え、海の安全を守ってきた白亜の姿には、神々しささえ宿っている…。 と、そこで不思議なことが起こりました。昼間だというのに、灯りの部分がキラキラ光っているような? なんとこれは、灯台を運営管理している長崎海上保安部からのサプライズ。ツアー参加者のために、特別に点灯してくださったのです。これは嬉しい。不動さんの音頭のもと、参加者一同「ありが灯台〜!(笑)」と感謝のメッセージを叫んだ一コマでした。 さて、海からの灯台鑑賞は楽しく終了し、船着場から灯台へ。今度は間近でじっくり鑑賞します。 ここで、長崎海上保安部から更なるサプライズが。予定にはなかった灯台内部の見学ができることになったのです。灯器まで登り、ていねいに解説までしていただきました。 さすがに全員いっぺんには入れないので、2班に別れて順番に。15分ほどの時間でしたが、灯器の大きさと造形に感じ入ったり、外の眺望を楽しんだり。特別な時間でした。 それから灯台近くにある「伊王島灯台記念館(伊王島灯台旧吏員退息所)」を見学し、伊王島港近くの「HOTEL&RESORT i+Land nagasaki」へ。「恋する灯台トークショー」の開催です。 案内役の不動まゆうさんにより、灯台の歴史からその魅力の感じ方、世界の特徴的な灯台などなど、ややマニアックで楽しい灯台トーク。途中から、灯台記念館館員の谷口さんにもご参加いただいて、灯台愛あふれるトークが展開しました。参加者の皆さんも「灯台の奥深さが改めて分かりました」「不動さんの灯台愛が伝わってきました」など、反応は上々。 ホテルの施設でバーベキューによる夕食を楽しんだ後、今年オープンしたエンターテイメント施設「アイランドルミナ」へ。島にある本物の森に光と映像のデジタルアートを組み合わせて幻想の世界を演出したナイトウォーク・アドベンチャーです。デジタルアートのコンテンツには、伊王島灯台も巧みに織り込まれていました。 などなど、午後から夜までお楽しみを詰め込んだ半日ツアー。参加者からは、「海から灯台を眺めたのが良かった」「お得なツアーだった」などコメント続々。「盛りだくさん過ぎで、駆け足だったのが惜しい」という声もありました。それも踏まえて今後、さらに魅力的な旅ができていけばいいなと思います。 中には、「これは恋人同士のツアーというより、灯台に恋する人たちのツアーでは」というコメントも。なるほど、おっしゃる通り。こうしたツアーが各地で企画され、もっとたくさんの人々が灯台に恋していただけると、「恋する灯台プロジェクト」としても嬉しい限りです。 当ツアーに全面的にご協力いただき、灯台の魅力を教えてくださった長崎海上保安部の方々、ありがとうございました。