9月15日は日御碕灯台へ 夕日と音楽、新感覚のライトアップにドキドキ 【島根県出雲市 出雲日御碕灯台】

2018/09/11

日本一の高さに加え、建造100年を超える歴史を誇る出日御碕灯台雲。国際機関により「世界の歴史的灯台100選」にも選定されています。 塔高43.65m、海面から灯りまで63.3mという白亜の偉容を形づくるのは、県内で切り出した硬質の自然石材。壁面のゴツゴツとした肌合いや灯塔周りのデザインは、西洋の歴史的建造物のような風格です。 その高さは、灯塔付近にある展望台(参観料200円)から体感できます。内部の163段のらせん階段を登ると眼下に広がる、日本海のパノラマや島根半島の全景。晴れた日には中国山地や北に浮かぶ隠岐諸島も一望できます。いっぽう、灯台下の望遠鏡からは、はるか水平線付近を進む大型船や、季節によっては近くの経島に生息するウミネコの飛び交う様子も見られるとか。 灯台にいたる遊歩道の散策も楽しみたいものです。流紋岩というレンガを縦型に積んだような模様を持つ地質と、海風に耐えて独特の形状に育った「柏陵園」と呼ばれる黒松の並木が、印象的な景観をつくっています。遊歩道付近にはお食事のできる店もいくつかあるので、休憩を入れながらゆっくりどうぞ。 ところで日御碕は、「日」という字が示すように、日本海に沈む夕日が鑑賞できる絶景スポットでもあります。 その神々しいまでの夕日は、信仰の対象にもなっていたようです。近隣の日御碕神社には、天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀った日沉宮(ひしずみのみや)があり、三重県の伊勢神宮が「日本の昼を守る」のに対し、「日本の夜を守る」神社と言われています。 その夕日がひときわ美しい、秋の初めの9月15日。カップルにおすすめのロマンチックな2つのイベントが開催されます。 まず、「日御碕 夕日のコンサート」。島根県出身のシンガーソングライター山根万理奈さんと男性ボーカルデュオ「X+(えくすと)」の2組を招き、夕日を背景にすてきな音楽を楽しもうという趣向です。日が傾き、夕焼けへとさしかかり始める午後4時に開演し、日没に合わせ6時半ごろに終演予定です。 そして、日もとっぷりと暮れた午後8時ごろからは、「恋する灯台 ライトアップイベント」が始まります。 「恋する灯台」認定にちなんで行われるこのイベント、ただのライトアップではありません。なんと、観覧者がスマホを通してライトアップの色を操作できる仕組み。現地で配布されるチラシのQRコードから専用アプリをダウンロードし、画面上に踊る8色のボールをタップすると、灯台を照らす色がそのボールに合わせて変化します。選んだ色に染まった灯台を背景に、「思い出の一枚」を残してはいかがでしょうか。(※OSのバージョンによってアプリが対応しない場合もあります) こうしたイベントやライトアップは、今後も行う計画だとか。日本一の高さから恋を見守る「ロマンスの聖地」が、この先どんな展開を見せてくれるのか楽しみです。 ちなみに日御碕の周辺には、縁結びの神様として知られる大国主命を祀った出雲大社や、『古事記』の国譲り、国引き伝説の舞台とされる稲佐の浜など、神話の舞台がたくさんあります。日本初のカップルであるイザナギ、イザナミにまつわる猪目洞窟も車で30分ほど。一度ならず二度、三度と訪れ、絆を深めたいですね。