神戸港を見守るホテルに建つ公式灯台、約2年ぶりに一般公開【兵庫県神戸市 神戸メリケンパークオリエンタルホテル灯台】
2022/04/15
日本で唯一の「公式灯台があるホテル」として知られている、神戸メリケンパークオリエンタルホテル(兵庫県神戸市中央区)。2022年1月17日(月)、同ホテルの公式灯台が約2年ぶりに一般公開され、当日はホテル最上階からの眺望、さらには旧オリエンタルホテルから引き継いだ「昭和天皇の歌碑」や「鬼瓦」の姿を間近に観ることができました。
▲「灯台」イメージ
▲神戸メリケンパークオリエンタルホテル
神戸メリケンパークオリエンタルホテル灯台は、1964年、旧「オリエンタルホテル」が神戸市中央区京町に移転した際 “港町・神戸のシンボルに” と、日本で初めてホテルの屋上に設置されたもの。1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災で旧「オリエンタルホテル」は被災し、休止をやむなくされました。しかし、同年7月に開業が決まっていた神戸メリケンパークオリエンタルホテルへの継承が決定。1995年(平成7年)7月7日のオープニングレセプションの日、午後7時7分に777発の花火とともに灯台は点灯を再開しました。その日から灯台は、一日も休むことなく神戸港を行き交う船の安全を見守り続けています。
今回、同ホテルの広報担当の方に、メールインタビューを実施。当日の模様などについて回答をいただきました。
――一般公開当日の様子をお聞かせください。
「もともとこちらの灯台の一般公開は例年行っておりまして、年に2回だけ一般のお客様に向けて公開をしております。公開日は、1月17日の震災の日と、11月1日の灯台記念日でございます。ここ約2年はコロナ禍でもありまして、一般公開を中止した年もありましたが2022年の1月17日は、ほぼ2年ぶりの一般公開という事もあってか、当日は約330名のお客様が灯台をご覧になられました。
お客様の中には、灯台の存在をご存じでないお客様が、初めてのこのような神戸の歴史に触れられたことで感動されたご様子でした。また、灯台以外にも弊社、正面玄関に旧オリエンタルホテルから継承いたしました『鬼瓦』を設置しておりますが、こちらにも興味を持っていただいた、とのお声もございました。また、最上階のバルコニー部分に灯台があるのですが、海を目の前に望む景色にも癒されました…とのコメントもございました」(広報ご担当)
▲阪神淡路大震災を機に、灯台と共に旧「オリエンタルホテル」より受け継いだ「鬼瓦」
――今後、灯台をどう活用していきたいとお考えですか?
「1964年、神戸京町に開業した旧『オリエンタルホテル』の屋上に“港町神戸のシンボル”として日本で初めてホテルの敷地内に灯台が設置されました。1995年に阪神淡路大震災が発生し、全壊した旧『オリエンタルホテル』は閉鎖を余儀なくされ、当時、京町の『オリエンタルホテル』の姉妹ホテルとして建築中だった弊ホテルが灯台を受け継ぐことになりました。この灯台はホテル開業時に震災の復興のシンボルとして、神戸の皆さまの心の灯となるように移設された灯台です。
これからもこの灯台が持つ『街のシンボル』としての役割を担いつつ、多くの方にご見学いただける機会を提供することで、神戸にまつわるさまざまな想いに触れていただける体験のお手伝いができればと考えております」(広報ご担当)
ホテルの屋上という、ちょっと特殊な場所から、神戸港を行き交う船の安全を見守り続けている神戸メリケンパークオリエンタルホテルの灯台。次回の一般公開予定日となる2022年11月1日の灯台記念日に、ぜひ訪れてみては。
■神戸メリケンパークオリエンタルホテルについて
阪神淡路大震災で被災し閉鎖された旧オリエンタルホテルを継承し、1995年に周囲270度を海に囲まれたロケーションに誕生したリゾートホテル。神戸ポートタワーや神戸海洋博物館など誰もが一度は見たことのある神戸らしい風景を望み、全客室に設けられたバルコニーからはきらめく海や街の夜景など時間ごとに変わる景色を一望できる。日本初であり国内唯一のホテル内灯台は旧オリエンタルホテルより移設され、現在も神戸港を照らしています。