貴重な木造灯台2基が「世界自閉症啓発デー」でブルーにライトアップ

2024/04/04

4月2日の「世界自閉症啓発デー」に合わせて、歴史的に価値のある木造灯台2基が、啓発デーのシンボルカラーである「ブルー」にライトアップされています。点灯期間は2024年4月8日(月)まで。

大阪府堺市では、堺旧港の突端に位置する旧堺燈台がブルーにライトアップされています。

旧堺燈台は、市民の寄付と堺県(当時)の補助金により、1877(明治10)年に建築された洋式木造灯台。土台の石積みと建築工事は日本人の石工と大工が手がけ、灯具の点灯器具取り付けには英国人技師ビグルストーンが携わりました。

その後100年にわたって大阪湾を照らし続けましたが、周辺の埋め立てなどに伴い、灯台としては1968(昭和43)年に役目を終えました。現地に現存する洋式木造灯台としては国内で最も古いものの一つとして、1972(昭和47)年に国の史跡に指定されています。

山形県酒田市では、日和山公園に保存されている旧酒田灯台(六角灯台)がブルーにライトアップされています。

旧酒田灯台は、酒田港へ航行する船の安全を守るため、1895(明治28)年に最上川の左岸河口付近に建設された洋式木造灯台です。1958(昭和33)年、近くに近代式灯台が完成したのに伴って廃止され、最上川河口に近い日和山公園内に移築保存されました。

「世界自閉症啓発デー」は、自閉症をはじめとする発達障害について知り、理解を深めることで、誰もが幸せに暮らせる社会の実現に向けて実施されている世界規模の取り組みです。

明治期に築かれ、海の道しるべとして活躍した木造灯台が令和の今、よりよい社会の実現に向けたシンボルとして社会を照らす役目を担っていると考えると、感慨深いものがありますね。

写真提供:堺市公式インスタグラム