陸のポラリス、地上の星座~人気作家がつづる灯台巡り紀行【千葉県いすみ市 太東埼灯台】

2025/04/01

文藝春秋『オール讀物』1・2月号とライフスタイル誌「CREA」公式サイトに掲載の灯台紀行エッセイ『「灯台」を読む』は、直木賞作家の村山由佳さんが千葉県の灯台を巡る旅の第三弾。九十九里浜最南端の岬の頂上にたつ太東埼灯台を訪れ、灯台を起点にその土地の記憶を紐解きます。

▼村山さんの灯台巡り紀行エッセイ第一弾・第二弾ご紹介記事はこちら
 野島埼灯台編 勝浦灯台編

灯台のある太東岬は「恋のヴィーナス岬」というロマンチックな愛称を持ち、太平洋の大海原や九十九里浜を一望できる絶景スポットとして知られています。一方で、電波探知機の礎石や機関銃座跡など、太平洋戦争の痕跡が現在もひっそりと残っています。灯台建設前の当時、海軍は米軍機の接近を探知することを目的とした電波研究所の建設を太東岬に計画。岬の頂上まで広い道を建設するため、大勢の地域住民が強制的に動員され、重労働を強いられました。村山さんがこの旅で灯台を目指して歩いた坂道は、地元民にとって戦争の記憶を呼び起こす戦跡とも言えるものだったのです。

旅の終わりを迎えた村山さんは、それぞれの灯台が持つストーリーとその変わらぬ景色を振り返り、新たな文学創作イメージを膨らませていきます。

「CREA」公式サイトの当紀行掲載ページは以下のURLよりご覧いただけます。
https://crea.bunshun.jp/articles/-/53231
知的発見に満ちた灯台紀行をお楽しみください。

写真提供:文藝春秋写真部