恩田陸さんがつづる灯台巡り紀行【大関酒造今津灯台、旧堺燈台】
2025/09/24
作家たちが各地の灯台を訪ね、その土地と灯台の歴史や物語を紡ぐ――文藝春秋『オール讀物』で連載中のリレー紀行『「灯台」を読む』。9・10月号は、幅広いジャンルで活躍する人気作家・恩田陸さんが、二つの歴史的な木造灯台、「大関酒造今津灯台」と「旧堺燈台」を訪れます。
最初の目的地は、兵庫県西宮市の「大関酒造今津灯台」。ワンカップ大関で知られる酒どころ灘の大関酒造が1810年に私財を投じて築いた、全国でも珍しい民間所有の灯台です。江戸への酒の海運が盛んになるとともに、この地に欠かせない存在となり、200年以上にわたり維持管理が続けられ、現在は水門の外側に移設された上で復元されています。
続いての訪問地は、大阪府堺市の「旧堺燈台」。1877年、堺旧港の突端に、地元民からの多くの寄付金により設置されました。現存する木造洋式灯台としては国内最古級の一つで、教会の鐘楼を思わせる愛らしい姿が特徴です。国の史跡に指定されており、現在は大浜公園の台場跡に立っています。幾度かの建て替えを経て、今の姿は明治30年代の最も壮麗な姿に復元され、港町・堺の歴史を今に伝えています。
恩田さんは、これらの灯台がどのように生まれ、受け継がれ、地域の産業や文化に根づいてきたのかを探ります。そして、日本各地で、家族単位で営まれた灯台守の厳しくも豊かな暮らしについても織り交ぜながら、灯台を巡る旅の記録を綴ります。
当紀行は、ライフスタイル誌「CREA」の公式サイトでも公開しています。ぜひご覧ください。
▽あのワンカップ大関がなぜ? 有名酒造メーカーが珍しい民間の灯台を建てた理由とは【現役の木造灯台としては、日本最古の灯台へ】(CREA)
https://crea.bunshun.jp/articles/-/55433
▽まるで教会の鐘楼のよう!ノスタルジックで美しく愛らしい旧堺燈台へ(CREA)
https://crea.bunshun.jp/articles/-/55434
写真提供:文藝春秋写真部