編集長がゆく! 初日の出のオススメスポットは灯台マニアに聞け⁉︎
2019/12/27不動まゆう灯台現地レポート
太東埼灯台 千葉県いすみ市
いわゆる「3度のメシより灯台が好き」なマニアが綴る灯台レポート。灯台で「見て」「感じて」「味わった」ことをウンチクと共に伝える。
まもなく迎える2020年の元旦。日本海側は雨が予報されているが、太平洋側は天気がいいらしい。となると関東在住の私の周辺では「初日の出を見にいかない?」という話題もちらほら聞こえてくる。
そこで! 「日の出のオススメスポットなら、灯台マニアに聞け!」と私は言いたい。なんてったって、日本中の岬を訪れては、
やれ「この灯台は朝日に照らされる姿が美しい」だの、
やれ「この灯台は午後に行くと逆光」だの、
岬の地形と、灯台・太陽の位置関係を一年中考えているわけだから。
さて、すでに人気スポットとして有名なのは千葉県銚子市の犬吠埼灯台である。ここは日本で一番早く初日の出を拝める場所(離島や山頂を除く)というのも大きな理由だが、水平線から登る太陽と優雅にそびえる白亜の灯台、この景色をみれば多くの人が詰めかけるのも頷ける。
犬吠埼灯台の朝。(これを撮影したのは12月上旬)
犬吠埼はすでに知っている方も多いと思うので、次にまだあまり知られていない “日の出灯台スポット” をお伝えしたい。
それはこちら!
さて、どこの灯台でしょう?
ここは、千葉県いすみ市の太東崎だ。サーフィンをする人ならすぐにわかるかもしれない。波がいいことで有名で、オリンピックのサーフィン競技もこのいすみ市が会場となる。
この太東崎からの眺めもとても美しいのだ。では、灯台を眺めながら日が昇るのを待つとしよう。
灯台の閃光が凛々しく見える。am5:50まだ辺りは夜…
am6:15 灯台のシルエットが浮き上がってくる。この時間の灯台もかっこいい
am6:30 一晩中、仕事をした灯台に少し安堵の表情が見える。もう少しで日の出だ
周囲が明るくなってくると、灯台のまわりに花壇が作られていることがわかる。なんだかホッとする
am6:35海側を振り返ると空がピンク色になっていた
町にもそろそろ朝が来る!
am6:40 あぁ、灯台が染まってなんて美しいんだろう。太東埼灯台は「恋する灯台」にも選ばれたが、まさにここは恋人とくるのにうってつけの場所だ
am6:50 鳥も飛んできた
水平線に雲がかかっている…。この日の日の出時刻は6:49だから、もしかして、すでに日は出てる?
灯台を眺めていたら、塔がキラリと反射した
振り返ると雲から太陽が顔を覗かせていた。おはようございます!
Am7:00 灯台も1日の仕事を終えて眠りにつくところ(消灯)おやすみなさい。
日の出の美しさを伝えたかったのに、気がついたら灯台の実況中継になってしまった(お詫び)。でも灯台マニアだからしょうがないと許してほしい。
一晩中がんばった灯台に労いの言葉をかけにいく。
「おつかれさまでした。今日もありが灯台」
すると…
タイルが落ちてる!
わぁ、太東埼灯台の体の一部だぁ
「これ、いただいてもいいですか? 宝物にしたいんです」
太東埼灯台「変わった子だのう。どうせ落ちたものじゃ。好きにしなさい」
タイルを握りしめて、灯台への愛をまた深めた朝でした。
周囲をみると、朝の美しい景色を眺めに来た人が他にも。そしてNPO太東埼燈台クラブの方々のご厚意で暖をとらせてもらう。
ストーブからは懐かしい香りがした
クラブの活動は、草刈りや燈台周囲の環境整備、休憩所の維持管理などだそうだ。灯台や岬からの美しい眺めを気持ちよく楽しめるのは、こうした活動があるからこそ。本当に心から感謝します。
毎年、初日の出では甘酒をふるまってくださるそうだ(感涙)。
でも元旦は地元の方も多く、車で来ても駐車場がいっぱいで停められないことが予想される。いすみ鉄道「太東駅」から徒歩で約40分。それでもいとわない方、ぜひ!