静岡市「清水灯台」がアニメ化・実写化で注目される漫画『星屑テレパス』の聖地に

2024/05/28

静岡県静岡市にある清水灯台(通称:三保灯台)が、漫画『星屑テレパス』に登場する灯台のモデルの1つとして注目を集めています。
芳文社「まんがタイムきらら」で連載中の『星屑テレパス』(作:大熊らすこ)は、内気な少女・小ノ星海果が自称宇宙人の転校生・明内ユウと出会い、ロケットを作って宇宙を目指すストーリー。2023年10月~12月にテレビアニメ化され、今年は6月25日(火)から実写ドラマとして放送されることが決まっています(テレビ東京ほかで放送)。

TVアニメ『星屑テレパス』ポスタービジュアル ©大熊らすこ・芳文社 星屑テレパス製作委員会

舞台が静岡市であることは作中で明示こそされていませんが、同市にある風景や建物が数多く描かれています。作中に描かれる建物の中で特に印象的なものが、自称宇宙人のユウが暮らす廃灯台。実際の清水灯台とは外観も内部も異なりますが、静岡市にほかに主な灯台が存在しないこともあり、ファンから「聖地」とみなされるようになりました。

作者の大熊らすこさんもYouTubeの配信で「(清水灯台を)立地の参考にさせていただきました」と言及(切り抜きアーカイブはこちら)。その効果もあってか、清水海上保安部が昨年11月に実施した特別公開の際は、整理券配布に並んだ人の3割程度が『星屑テレパス』のファンだったそう。実際に清水灯台を訪ね、YouTubeやSNS、ブログなどで『星屑テレパス』の聖地として紹介している方も多くいらっしゃいます。

●清水灯台の特徴

1912(明治45)年に初点灯した、国内初の鉄筋コンクリート灯台。景勝「三保松原」などがある三保半島の東端付近に立ち、今なお建設当時の姿を残しています。現存最古級の鉄筋コンクリート建造物として貴重であることから、近代化産業遺産と土木学会選奨土木遺産に認定されており、2022年に国の重要文化財に指定されました。一番上にある風見鶏は三保松原の「羽衣伝説」にちなみ、羽衣をまとった天女をモチーフとしています。


写真提供 清水海上保安部

●清水灯台以外にもモデルが

前述したYouTube配信で作者・大熊らすこさんは清水灯台以外にもモデルがあったことを明かし、ニュージーランドのエグモント岬灯台の外観、犬吠埼灯台の1等フレネルレンズとトラス構造の窓枠、出雲日御碕灯台の内部(らせん階段)を参考に、「私好みに星屑テレパスに合う最強の灯台をデザインした」と解説しています。
Mount Taranaki and Cape Egmont Lighthouse 02.jpg
By russellstreet - Flickr: Mount Taranaki and Cape Egmont Lighthouse, CC BY-SA 2.0, Link

▲犬吠埼灯台

灯台にはそれぞれ特徴があるので、好きな灯台の要素を組み合わせて「最強の灯台」を考えてみるのは楽しそうですね。

●清水灯台の見学について

清水灯台は通常、門に鍵がかかっているため敷地内に立ち入りできません。敷地外から外観を見学するのみとなります。

ただし、不定期ですが年に一度くらいのペースで清水海上保安部による特別公開が実施され、灯台内部に上ることができます(人数限定)。この記事を執筆した時点では、2024年の特別公開の日程は未定とのことです。

【参考リンク】
大熊らすこさんX

TVアニメ「星屑テレパス

テレビ東京「星屑テレパス

文化遺産オンライン「清水灯台

清水海上保安部