日本の南北で活動する「灯台お兄さん」2人がオンラインで初の対談
2025/03/11
日本の北と南でそれぞれの地域の灯台をPRするために活動している「灯台お兄さん」2人が、1300kmの距離を超え、オンラインで初めて交流しました。
灯台お兄さんとは
灯台お兄さんとは、地元の灯台を盛り上げるために、独自のスタイルでPR活動を行う地域活性化の担い手です。今回交流した2人は、それぞれの地域で熱い情熱をもって灯台の魅力を発信しています。
石狩灯台お兄さん
赤白に塗った顔と手作りのかぶり物、ストライプのシャツという姿で北海道石狩市の石狩灯台をPRする「石狩灯台の妖精」(という設定のキャラクター)です。石狩市職員の高木順平さんが公務外の自主活動として2019年に始めました。年に3回の灯台イベントにのみ登場するレアキャラで、お兄さん目当てで灯台を訪れるファンも少なくないとか。その灯台愛と知名度向上への功績が認められ、2023年に小樽海上保安部から石狩灯台の「名誉灯台長」の称号を授与されています。
佐田岬灯台お兄さん
白塗りの顔に緑で大きく円を描き、怪盗キッドのような白のスーツとシルクハットを身にまとった姿が印象的なお兄さん。顔に描いた緑の丸は、佐田岬灯台のエメラルドタイム(点灯後わずかな時間だけレンズが緑に輝く時間)をイメージしたもの。実は現役高校生で、愛媛県伊方町の佐田岬灯台を活用した地域活性化に協力する愛媛県立三崎高校美咲輝(みさきこう)ゼミの一員として、佐田岬灯台をPRしています。
海と灯台サミットでの出会い
2人が初めて相互に存在を認識したのは、2024年11月に東京都内で行われた「海と灯台サミット」。石狩灯台お兄さんは同サミットのトークセッションに参加し、「灯台で○○やってみた」というテーマで自分の活動内容や成果を語りました。
▲海と灯台サミットで名誉灯台長のたすきをアピールする石狩灯台お兄さん
一方、佐田岬灯台お兄さんは各地の灯台利活用事例を発表するパートにサプライズ登場。翌日のイベント準備のため来場はかないませんでしたが、オンラインでゼミの仲間とともにこれまでの取り組みや今後の目標をプレゼンしました。
▲オンライン中継で海と灯台サミットに現れた佐田岬灯台お兄さん
突然の「灯台お兄さん」登場に、楽屋で中継を見ていた石狩灯台お兄さんも(向こうからは見えていないものの)画面に手を振って大喜び。
しかし、この日は2人が直接お話できる機会がなかったため、石狩灯台お兄さんが「ぜひ佐田岬灯台お兄さんと話してみたい!」と熱望。海と灯台プロジェクト事務局が調整を行い、オンラインでの「海と灯台お兄サミット」が実現しました。
オンライン「海と灯台お兄サミット」
オンラインでの交流では、まずお互いの自己紹介と活動内容を共有。その後はユーモアたっぷりのトークが続きました。
佐田岬灯台お兄さんは、「石狩灯台お兄さんの取り組みに刺激を受け、『これしかない!』と思い灯台お兄さん活動を始めた」と告白。一方、元祖として活動する石狩灯台お兄さんは、「灯台お兄さんというジャンルが広まればいいなと思っていたが、こんなに離れた場所で仲間が増えたのはとてもうれしい」と、後輩を心から歓迎しました。
さらに、活動を続けて認知度を高める重要性を説きながら、「顔塗りや衣装の工夫」「決めポーズの作り方」など、具体的な質問にも丁寧に回答。ユニークなアドバイスも飛び出し、「ヨガのポーズを取ると灯台の妖精とのシンクロ率が上がり、インスピレーションが湧きやすくなる」と、自身の経験に基づいた謎のアドバイスを高校生に送っていました。
「灯台お兄さん」未来への夢
佐田岬灯台お兄さんは「全国の灯台を舞台にした映画やアニメを作りたい」と壮大なアイデアを披露。石狩灯台お兄さんも「各地で灯台お兄さんが増えたら、ぜひ灯台お兄サミットをリアルで開催したい」と応じるなど、未来への夢が次々と飛び出しました。最後に、今後はそれぞれの灯台イベントでコラボレーションを計画するなど、協力関係を築きながら新しい可能性を探っていくことを約束し、お開きとなりました。
▲石狩灯台お兄さんとスタッフの皆さん(左)、佐田岬灯台お兄さんと愛媛県立三崎高校美咲輝ゼミの皆さん(右)
事務局より
海と灯台プロジェクトを機にこのような縁が生まれ、灯台による地域活性化の輪が各地に広がっていることはうれしい限りです。あなたの地元の灯台でも「灯台お兄さん」を誕生させてみませんか?