サイクリストも船で訪れる瀬戸内の小さな島の灯台【広島県三原市 佐木島灯台】
2019/07/30広島県三原市の沖合約3kmに位置する佐木島(さぎしま)。瀬戸内の穏やかな海に囲まれた、一周およそ12kmの島です。ここに建つ「佐木島灯台」は「恋する灯台」認定灯台の一つで、島の北部に佇んでいます。7月20日(土)には、尾道観光協会主催による「島と灯台めぐり」が行われました「島と灯台めぐり」は瀬戸内海にある島々と灯台をめぐるツアーで、そのコースに佐木島灯台が含まれています。佐木島では「さぎしまを愛するボランティアガイド」の皆さんが参加者をガイドしました。尾道といえば、四国地方と中国地方を結ぶ「瀬戸内しまなみ海道」の本州側起点にあたる街しまなみ海道は自転車で通ることができ、サイクリングロードとしても人気という背景もあり、自転車を解体したりたたんだりせず、そのまま積んで乗ることができる「サイクルシップ」も航行していますこの日もサイクルシップ「ラズリ」を利用して、48人の利用者が佐木島を訪れました。「ラズリ」とは「青」を意味するペルシャ語。「サイクリストの聖地」ともいわれるしまなみ海道の島々を結ぶブルーラインをイメージして名付けられたのだとか。定員は75名、自転車の積載数は最大約50台で、島の間を移動するのに役立てられています。「恋する灯台」であることも伝わる灯台までの案内板も要所要所に設置されています2005年に島の中央付近にある「大平山」への登山道が整備されたことをきっかけに、佐木島を訪れる人が増えたといいます。島内には灯台以外にも島の歴史を感じられる史跡や公園、神社といったスポットが多彩で、ゆったりと歩きながらの観光にもピッタリ。
四国八十八か所めぐりになぞらえた「島内八十八か所めぐり」ができる島でもあり、結婚式のときに八十八か所に置かれたお大師さまの像を婚家に運んで末永い幸せを願うという儀式が行われていました。その名残であるお大師さまの像をめぐるのが「島内八十八か所めぐり」で、すべてのお大師さまをまわると15キロほどのウォーキングに。参拝時間も含めて5~6時間ほどになるそうです。佐木島灯台は高さおよそ6.3mと比較的小さな灯台で、どこか可愛らしさを感じさせるフォルム。灯台周辺からは、瀬戸内の静かな海を眺めることができます。また、2019年の3月には「恋人たちがここで語らえるように」と、灯台の前にテーブルと椅子が設置されました。
春には島の東側にある「塔の峰千本桜」をはじめとする花々に、瀬戸内を代表する植物ともいえるミカンやレモンの花が咲き、訪れる人の心を楽しませてくれます。年間を通してトライアスロンや釣り、ヨットなどの趣味を楽しむために訪れる人もおり、民宿も営業しているので、泊まりがけでの観光もOK。ぜひ、島の人たちとの交流を楽しんでくださいね。