城ヶ島灯台・安房埼灯台「観光地での認定灯台の活用」(全国灯台文化価値創造フォーラムより)

2020/01/13

2019年12月10日、灯台のある全国自治体が一堂に会し「全国灯台文化価値創造フォーラム」が開催されました。自治体による灯台利活用の先行事例について考察する「CASE STUDY」として、神奈川県横須賀三浦地域県政総合センターの副主幹・吉田裕一氏により、「観光地での認定灯台の活用」について発表がありました。

「恋する灯台プロジェクト」が始動した2016年に関東地方で唯一、またペア灯台としても全国に先駆けて認定をうけた「城ヶ島灯台」と「安房埼灯台」。この2基が建つ城ヶ島は、三浦半島の南端に位置する神奈川県内・最大の自然島です。

 

2011年、東日本大震災で県民の生活や経済活動に大きな影響を受けた神奈川県は、“経済のエンジンを回す“ことで地域を活性化していく方針を決定。翌年、県の総合計画「かながわグランドデザイン」を策定し、その基本構想の1つとして、観光資源へのテコ入れを表明しました。

「そこでスポットが当たったのが『城ヶ島』です。『鎌倉』や『箱根』はすでに有名ですが、それらと同等レベルまで今ある観光資源を磨き上げることを重点政策として位置づけ、城ヶ島では平成26年から県100%出資、地元負担0という形で取組を進めています」と、吉田氏。

 

その後、県にとっては絶妙のタイミングで「恋する灯台」認定。「ロマンスの聖地というストーリーは、新しい観光資源になりました」と、吉田氏は感謝の念を述べると共に、海上保安庁が「第4次交通ビジョン」で灯台の観光支援を打ち出したことにより実現した、国内最大級のトリックアート風ラッピングを施した「ラッピング灯台」について説明。

続いて島内在住・130世帯に城ヶ島の魅力と観光資源を再認識してもらう「ワークショップ」の開催や、島の東西それぞれに建つ城ヶ島灯台&安房埼灯台を結ぶハイキングコース(2km)の途中にある『見晴らし広場』に、“&”マークを象った「モニュメント」を設置、そして恋する灯台の認知度UPのための「ポスター」を掲示するなど、これまでの取組を報告。

最後に、今年度の「秋のススキ祭り」で行われたスタンプラリーにおいて、「恋する灯台」を効果的に用いた事例を発表しました。

また今後として、2020年1~2月に行われる「水仙まつり」や、老朽化に伴い建て替え予定となっている安房埼灯台の新デザインお披露目となる「デザイン灯台」、そして「“&”モニュメントのグッズ展開」や「婚活事業および京浜急行との連携」、商店街の「和モダン化」など、次年度以降の城ヶ島での灯台を含めた利活用構想について述べ、発表を締めました。