夜空を彩る灯台と花火の幻想美【新潟県糸魚川市 能生港灯台】

2019/08/20

「恋する灯台」認定灯台のなかでも、とりわけドラマティックな景観を持つ能生港灯台。灯台の立つ弁天岩は、糸魚川ジオパークのジオサイトの一つに数えられる貴重な“地質の宝物”で、フォッサマグマの海底火山の噴火によってできた能生海岸に浮かぶ岩礁です。海岸から弁天岩までは目にも鮮やかな赤い欄干がかけらえた「曙橋」が渡され、灯台へと向かう途中にある能生白山神社の末社である厳島神社では、航海安全のご利益があるという「市杵嶋姫命(いちきしまひめ)」が祀られています。能生港灯台はとても小さく可愛らしい灯台ですが、昭和26年の初点灯から長きにわたり、新潟県屈指の水揚げを誇る能生港で働く漁民たちの安全を守ってきました。また日本海が一望できる絶景スポットとして人々に愛され、「恋する灯台」に認定された今では縁結びのご利益を求める恋人たちが訪れる憩いの場ともなっています。そんな能生海岸の象徴、弁天岩と能生港灯台をバックに、今年も「能生ふるさと海上花火大会」が8月10日(土)に開催されました。今年で68回目となる花火大会では、尺玉やスターマイン、ナイアガラ、仕掛け花火など約2000発もの趣向を凝らした花火が夜空を彩ります。また、弁天岩が砕かれるのではと心配になってしまうほどの大迫力の爆雷や、日本海の海面に扇を開いたように花開く水中爆雷が涼を求めて集まった多くの観客の心を魅了しました。迫力満点の花火には圧倒されるばかりですが、その一方で次々に大空へと舞い上がる花火に照らされながら、暗闇の中に浮かび上がる弁天岩や灯台の幻想的な風景には思わずうっとりとしてしまうはず。まさに「恋する灯台」の本領発揮です!また会場となった能生海岸には「恋する灯台」のモニュメントが設置されていますが、それにちなみ今年も圧巻のナイアガラの滝と共に「恋する灯台」の仕掛け花火が打ち上げられました。夜空に浮かぶ「恋する灯台」のイルミネーションがとても美しいですよね。例年、約1万5000人の来場者が訪れるという花火大会は、今年もまばゆいばかりの光と音の饗宴とともに、恋する灯台・能生港灯台をより身近に感じるイベントとなりました。穏やかな波音と心地よい潮風に吹かれながら、能生港灯台をバックに間近で見ることができる「能生ふるさと海上花火大会」。ここでしか見られない幻想美は、恋する2人の仲をますます深くする素敵な思い出となることでしょう。