朝日も夕日も楽しめる灯台の「デジタル掛け軸マッピング」【石川県珠洲市 禄剛埼灯台】

2019/08/28

「禄剛埼(ろっこうさき)灯台」は、石川県珠洲市にある灯台。

観光地としても人気の能登半島の北端に位置する灯台で、東側(内浦)から昇る雄大な朝日を、そして西側(外浦)に沈む夕日の両方を楽しめる場所でもあり、一日を通じて美しい眺望が魅力です。

禄剛埼灯台は明治時代の1883年につくられた灯台で、130年以上の時を超えて現存する貴重な灯台として、海上保安庁が指定する「保存灯台」にも選ばれています。灯台が位置する岬の下には、日本海の強い波の力で長い時間をかけて削られた地形が段々に続き、「千畳敷」として知られています。

灯台の高さ自体は12mとそれほど大きくなく、横幅を感じさせるつくりで、そのシルエットは一軒の家のよう。イギリス人技師リチャード・ブラントンのもと、初めて日本人の手で造りあげられた灯台として歴史を刻んでいます。

また、2017年には日本ロマンチスト協会から「恋する灯台」として認定され、デートスポットとしても注目を集め始めました。

認定をきっかけに、地元では禄剛埼灯台を中心とする珠洲市を巡るデートプランを練り、町の魅力を再発見するワークショップにも取り組んだりしています。

こうした活動から2年を経て、禄剛埼灯台は「恋する灯台のあるまち」としても認知され、地元の人々からも親しまれています。

こうした流れの下、2019年7月27日~29日にはこの禄剛埼灯台でライトアップイベント「能登半島最先端の灯り」が行われました。

「デジタル掛け軸」という新しいジャンルで、建物や樹木など、さまざまなモノへのプロジェクションマッピングを行う映像アーティスト・長谷川章氏プロデュースによる幻想的な灯台マッピングが、訪れる人を魅了しました。

 

少しずつ色や形を変えていく絵柄に引き込まれます。

灯台そのものだけでなく地面にも映像が映し出され、風景すべてが一体感のあるプロジェクションマッピングになっています。

マッピングは日没時間である19時頃から、夜明けの5時頃まで。訪れた人は美しく彩られた灯台の姿を眺めながら、思い思いに楽しんでいました。