灯台を利用した地元の活性化を考える。灯台で小学生体験授業【山形県鶴岡市 鼠ヶ関灯台】

2020/07/31

勿来(なこそ)の関、白河の関と並び、念珠の関(=鼠の関)として「奥州三大古関」の1つに数えられる鼠ヶ関。江戸時代には北前船の寄港地だったという山形県有数の漁港・鼠ヶ関港を有するこの地は、「海の町」としても知られています。

大正14年の初点灯から今も変わらずに海の安全を見守り続けている鼠ヶ関灯台は、山形県で唯一「恋する灯台」に認定された灯台です。様々な“海に親しむ催し”や“恋活イベント”が開催されてきたこの灯台で、5月下旬、鼠ヶ関小学校に通う子どもたちを対象とした「小学生体験授業」が実施されました。

こちらの小学校では、これまでに操船訓練をする「ヨット授業」や漁場見学&魚の選別・さばき方を学習する「海の達人・体験授業」など、海を学習する課外授業が行われています。

 

そして今回「鼠ヶ関灯台」をテーマとする体験授業が開催。参加した小学6年生と2年生の児童23名は、小学校から依頼を受けた酒田海上保安部による全面協力のもと、それぞれの学年ごとに灯台について学びました。

小学6年生は「灯台を利用した地元の活性化」を目的に、町のために何ができるのかを考えます。その後は特別に開放された灯台に登って景色を眺めたり、灯火の仕組みについて機械の説明を聞いたりました。実は鼠ヶ関灯台が建設されて以来、一般の方への内部公開は今回が初となるそう。灯台内部は狭く、直梯子のため登るのは大変なのですが、そんな苦労の末に灯台の屋上から見た日本海の大パノラマは、忘れられない思い出になりそうですね。

また小学2年生は、「町中探検」として鼠ヶ関の町を巡り、最終目的地として鼠ヶ関灯台をめざしました。この学年は事故防止のため屋上まで登ることはできませんでしたが、鼠ヶ関灯台を間近に眺めながら、灯台の成り立ちや役割などの説明を聞き、灯台への理解を深めたのだとか。

鼠ヶ関のシンボルであり、新名所となった「恋する灯台・鼠ヶ関灯台」の特別授業は、子どもたちにとってどんな感動とヒラメキを与えてくれたでしょうか?「灯台を利用した地元の活性化」についての素敵なアイデアが、地元を沸かせる日はそう遠くないかもしれませんね。

(参観画像提供:酒田海上保安部)