医療従事者への感謝を込めて!能生海岸の春の風物詩「こいのぼり」【新潟県糸魚川市 能生港灯台】
2021/05/24世界的に珍しいヒスイの産地であり、世界最古のヒスイ文化発祥地としても知られる糸魚川市。ラテン語で「大きな溝」を意味する“フォッサマグナ”が見ごたえある景観を創り出すこの地は、全国に先駆け、地域固有の「地質の宝物」を保護しながら活用していくことを目指す世界的活動プログラム「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されました。
その「糸魚川ユネスコ世界ジオパーク」のうちの1ジオサイトである弁天岩は、毎年多くの海水浴客が訪れる能生海岸から曙橋と名付けられた赤い欄干の橋でつながる岩礁です。海底火山の噴火によって形成された小さい島ながら、敷地内には航海安全のご利益があるという「市杵嶋姫命(いちきしまひめ)」を祀る厳島神社が鎮座し、頂上では2016年に「恋する灯台」に認定された能生岬灯台がシンボルとして顔をのぞかせています。
地域住民の憩いの場としてはもちろん、恋人たちのデートスポットとしても愛されるこの能生海岸で、春の風物詩となっている「こいのぼり」が4月20日から1か月間飾られ、道ゆく人たちの目を楽しませました。
「毎年『こどもの日』を挟んで4月下旬から1か月ほど “こいのぼり”を掲示しています」と教えてくれたのは、能生海岸管理組合の事務局。昨年は緊急事態宣言が発令されたため期間半ばで終了となってしまいましたが、これまで20数年にわたり“子供の健康”と“能生地区の活性化”を願い、鯉のぼりを泳がせ続けてきたのだとか。
「今年はさらに新型コロナウイルス感染症に対応してくれている医療従事者の方々への感謝と、地域の中でお互いに励まし合って頑張っていこうという想いを込めてこいのぼりを掲げました」(同)
このイベントで飾られる鯉のぼりは地域のみなさんが寄付してくれたもの。在庫の数は毎年少しずつ増えていき、今年とうとう58旒に! 能生地区の絆の強さと、毎年行われる「こいのぼり」イベントが地域にしっかり根付いていることがよく分かりますよね。
今年も国道八号線と弁天橋を結ぶ約200mの間に、様々な願いを背負った58旒の鯉のぼりが大空高く舞い上がり、人々の心に爽やかな風を届けてくれました。
取材:足立美由紀