灯台の閃光と夜空を満喫!グランピング&ワーケーション施設今春オープン【兵庫県赤穂市 赤穂御埼灯台】

2022/02/16

兵庫県の南西端、岡山県との県境に位置し、忠臣蔵の舞台となった“義士のまち”として知られる赤穂市。瀬戸内海国立公園の一角をなす赤穂御崎では、特産物である牡蠣や2000年に開湯したという赤穂温泉が訪れる者を温かく迎えてくれます。

この赤穂御崎の高台に建つのが昭和38年に初点灯された赤穂御埼灯台です。八角形をした白亜の灯台で、地元では赤穂温泉のシンボルとして親しまれてきました。

そしてこのほど灯台のすぐ南側にグランピング&ワーケーション施設がオープンすることが決定。そこで運営会社である新日本製麺株式会社の牛尾周平社長にお話しをおうかがいしました。

新日本製麺では、飲食店のプライベートブランド商品の開発や製造をメインに行っています。その分野での成功体験はあるものの、コロナ不況のあおりを受け、自社のブランド力を築く重要さを痛感したそう。

そんな折、風光明媚な瀬戸内海の大パノラマと出会います。

「独自のサービスや広告、商品の物語など、大手企業とは異なる発信の仕方を模索していた際にこの場所を紹介していただきました。そして赤穂御埼灯台からの唯一無二の景色が1つのブランド力になるのでは?と考えたのです」(牛尾さん)

さらに近隣のグランピング施設で久しぶりに自分をゆっくり振り返る時間を持った牛尾さんは、「自分と同じようにリフレッシュや振り返りの時間を必要としている人が他にも沢山いるんじゃないか?そんな人たちにもこういう時間や空間を提供したい」との想いに至ったのだとか。

しかし、施設建設では新たな課題も抱えることに。

「赤穂御埼灯台は赤穂市の観光マップにも掲載されている観光スポットですが、周辺の観光地から歩いて10~15分で登ってくることはできるものの、現状ベンチが1つ置いてあるだけで魅力的な場所とは言えません。また灯台の敷地外は維持管理ができていないため草が伸び放題ですし、崩れかけた建物が複数残っている景観が悪い場所でした」(同)

このほかにも耕作放置地となっていた畑の問題もありました。しかし、これらを逆に活用することで地域振興へと繋がっていきます。

「管理棟用としてもともとあった企業の保養所を購入しました。ガラスが散乱し、落書きもあるような廃墟でしたが、改修してワーケーション用の客室へと生まれ変わります。そしてグランピング用のドームテント8棟の設置場所は、だんだん畑だった土地を利用します。全てのテントから瀬戸内海国立公園の景色を見渡すことが可能ですし、かつての整備された状態を取り戻すことで、地元の方には懐かしく昔を思い出していただけるといいなと思っています」(同)

施設まわりは自社でしっかりと管理し、灯台周辺に関しては今後赤穂市と協議をしながら整備していく予定なのだそう。

「閉塞感が漂う今だからこそ、仕事で忙しい方は心も体もリフレッシュすることが必要です。そして家に閉じこもりがちな子供もまた大自然の大きさに触れ、その偉大さを肌で感じることが大切だと思います。この施設では昼は瀬戸内海の空と山、夜は赤穂御埼灯台の閃光と夜空が体感できますので、大自然を満喫しながらゆっくり考える時間を持って頂きたいですね」(同)

現在ゴールデンウィークのオープンを目標に工事や準備が進行中。新名所の誕生が楽しみですね。

取材:足立美由紀