点灯130周年記念、普段立ち入れられない灯台内部を見学!「石狩灯台ぐるっとガイド」【北海道石狩市 石狩灯台】

2022/09/27

北海道最大の都市・札幌の隣に位置する石狩市。同市は、明治時代に建造された、現存する北海道最古の灯台・石狩灯台があることでも知られています。灯台守夫婦の半生を描いた映画『喜びも悲しみも幾歳月』にも登場したこの灯台は、赤と白のツートーンという鮮やかな色彩で、地元の皆さんはもちろん、多くの灯台ファンからも愛され続けています。

石狩市では市花でもあるハマナスが見ごろとなる時期のある6月11日(土)・12日(日)に、本町地区で「いしかり本町 灯台とハマナスDAY ~石狩灯台130周年記念~」と題したイベントを開催。同イベント内で石狩灯台の130周年を記念して「石狩灯台ぐるっとガイド」と題し、普段立ち入ることができない灯台内部の見学と、灯台周辺に広がる豊かな自然案内を組み合わせたガイドツアーを行いました。

その時の模様を、北海道石狩市 企画経済部商工労働観光課観光担当 主任 中村洸太さんにおうかがいしました。

 

・「いしかり本町 灯台とハマナスDAY」イベント企画の発端と目的をお聞かせください。

中村さん「本市は、戸田記念墓地公園の桜が見頃になる5月と海水浴や三大秋祭りが開催される7から9月に入込客数が多くなり、その途中の6月に入込客数が落ち込む傾向にあります。

本市の本町地区では、市の花ハマナスのほか、イソスミレやハマエンドウなど180種に及ぶ海浜植物を見ることができる『はまなすの丘公園』があり、その隣に『石狩灯台』が位置しています。また、風が強く吹くという地理的特性を活かし、カイト(凧)をお楽しみいただく方も多くいらっしゃいます。

令和元年度には、ハマナスを活かした『ハマナスフェスティバル』、石狩灯台を活かした『灯台内部の一般公開』、風に着目した『カイトフェスティバル』を別々の時期に開催していましたが、これらのイベントを『いしかり本町 灯台とハマナスDAY』として6月に一体的に開催することで、効果的に魅力発信を行い、集客を図ることとしました」

当日は1日2回、各回先着10名が灯台内を見学できました

 

・「石狩灯台ぐるっとガイド」当日の様子や、参加者の皆さんのお声をお聞かせください。

中村さん「『いしかりガイドボランティアの会』のご協力のもと、石狩灯台内部の見学に加え、ハマナスの開花が最盛期を迎えたはまなすの丘公園の散策をお楽しみいただきました。

灯台内部の見学では、お出迎えしてくれる急こう配の階段にみなさん驚かれていました。この階段を上り下りしたのか…と、当時の灯台守の人々の苦労に思いをはせていらっしゃる方もいました。

そのほか、石狩灯台が今も現役で活躍していること、明治41年当時の灯棟内部の壁や鉄板がそのまま残っているということや、灯台頂上から見える海・山・川が織り成す風景に感動されている方が多くいらっしゃいました」

 

参加者は、石狩湾と石狩平野という雄大な自然を堪能

 

・石狩市に暮らす皆さんにとっての「石狩灯台」は、どういった存在なのでしょうか。

中村さん「明治25(1892)年1月1日に点灯して以来、世紀を超えて今も石狩浜で明かりを灯し続け、現存する北海道最古の灯台である「石狩灯台」は、石狩市のシンボルとして市民に愛され、石狩市のカントリーサインにも描かれています」

多くの人が見学ツアーに参加。石狩灯台の魅力を再認識していた様子。

 

・今後予定されているまたは企画してみたい、石狩灯台を活用したイベントがありましたらお聞かせください。

中村さん「令和4年2月より、灯台の維持管理を行う「航路標識協力団体」に(一社)石狩観光協会が指定され、独自に灯台を一般開放して観光振興に活用できることとなりました。今年度は、10月29日(土)に石狩灯台のライトアップ&内部の一般公開を行う予定です。

そのほか、今後も石狩灯台の歴史や灯台周辺の豊かな自然をお楽しみいただけるような企画を石狩観光協会と考えていきます」

 

「いしかり本町 灯台とハマナスDAY」では、「石狩灯台ぐるっとガイド」のほかにも、石狩浜海浜植物保護センターを会場に、ハマナスの花摘み&外来植物抜き取り体験やハマナスハニーでせっけんづくりなどの体験メニューのほか、ハマナスを使ったお菓子・雑貨の販売などを行った「はまなすフェスティバル」、はまなすの丘公園ヴィジターセンター裏にて全長約25mの巨大凧やスポーツカイトのデモフライトなどが行われた「カイトフェスティバル」なども同時開催され、多くの方が初夏の石狩を満喫していたそうです。

130周年という記念すべき年に行われた、特別なイベント。北海道の海の安全を見守ってきた灯台の魅力が、さらに多くの人に伝わったのではないでしょうか。