愛媛の灯台で検証、灯台と海の食文化をつなぐ新コンセプト「トウダイモトウマシ」

2025/12/12

愛媛県を拠点に活動するトウダイモトウマシ探求コンソーシアムは今年度、「海と灯台プロジェクト」の助成を受け、「灯台の下には旨い魚がいる・おいしいグルメがある=トウダイモトウマシ」というコンセプトの検証に取り組みました。

「トウダイモトウマシ」とは、灯台が立つ場所の特性に焦点を当てた新たな視点です。灯台の多くは潮流が速く地形が複雑な海の難所にありますが、同時にそれらの海域は豊かな漁場に隣接しています。同コンソーシアムはその地理的特性に着目し、「灯台の近くの魚はなぜおいしいのか?」という問いを通して、灯台を地域の「海の記憶」と「恵み」をつなぐ存在として再定義することを目指しています。

具体的な実証として、まず愛媛県内の佐田岬灯台(伊方町)ではクルージングを含む探求ツアーを実施。学芸員による解説付きクルーズと灯台への登頂体験を通して灯台周辺の海を海と陸から見学し、この海域が「危険であり、同時に豊かな漁場である」ことを実感しました。締めくくりには、地元で水揚げされたイセエビやウニ、サザエなどを使った料理が提供され、「トウダイモトウマシ」を実感しました。

ふたつ目の実証事業として、大崎鼻灯台(西予市)では、景色やエイドステーションでのおもてなしを楽しみながらゴールを目指すランニングイベント「マラニック」を軸にした探求ツアーを実施。往復25kmのコースに設けた6カ所のエイドで、灯台周辺の海でとれた魚を使った「ハモの天ぷら」「釜揚げしらす丼」「アイゴ×明浜レモンの天ぷら」などの料理を提供しました。

折り返し地点となった大崎鼻灯台では、宇和島海上保安部による灯台の解説があり、灯台の近くで操業するしらす漁や一本釣りの漁船を高い位置から見学することもできました。ゴール地点では大崎鼻灯台と周辺の海をモチーフにした「灯台バラチラシ寿司」が提供されるなど、移動のプロセスそのものが海と食を学ぶ機会となりました。

同団体はこれらの実証事業を通じ、灯台が地域の海と食をつなぐ「物語の入口」となり得ることが確認できたとしており、「今後は『トウダイモトウマシ』の概念を地域に定着させるとともに、全国の灯台がある地域へと輪を広げていきたい」と次の展開を見据えています。

リンク
愛媛の2つの灯台で検証!「灯台の下には旨い魚がいる=トウダイモトウマシ」って本当?(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000400.000161057.html