「犬吠埼しょうゆ皿」で話題に!灯台愛あふれる犬吠埼グッズの数々【千葉県銚子市 犬吠埼灯台】

2022/04/27

北太平洋航路のために日本で建てられてた最初の灯台であり、第1等レンズを備える現役の灯台の中では日本最古でもある千葉県銚子市の犬吠埼灯台。のぼれる灯台としては、日本一の入場者数を誇り、年間約10万人が雄大な太平洋の眺めを堪能しています。そんな銚子観光のシンボル的存在でもある同灯台をモチーフとした陶器を取り扱っているのが、地元・銚子市で戦前から続く老舗陶器専門店・吉川陶器店です。

同店のオンラインショップ「The 港町スタイル」では、「海辺の暮らしをたのしむ」をコンセプトに《いわし》《灯台》《海辺》をイメージしたうつわや雑貨を数多く紹介。なかでも、お醤油を注ぐと犬吠埼灯台と朝日が浮かび上がる「犬吠埼しょうゆ皿」は、さまざまなメディアで紹介され、大きな話題を呼んだことでも知られています。そんな同店の代表取締役・吉川徹さんに、地元のシンボル・犬吠埼灯台への思いなどをお聞きしました。

 

――犬吠埼をモチーフとしたうつわを制作しようとした、最初のきっかけをお聞かせください。

吉川さん「時代の流れで、海外で大量かつ安価に生産された陶器の食器が輸入され、国内の量販店やスーパーマーケットで販売されております。競争力のない国内の陶器小売店や陶磁器生産者が年々減少しております。

このような状況下、専門店として10年以上前より大量生産品の比率を徐々に減らし、職人さんや陶芸家の先生が作る品を増やしてきました。

手仕事が生み出す品はとても魅力的で、手仕事ゆえ小さい数量でも当店のオリジナルも作れると知り、地元銚子のモチーフとして相応しい、犬吠埼灯台といわし(銚子の市魚)の商品の開発に至りました」

有田焼「童工房」製の、いわし絵柄の片口(酒注)。手描きのため、1つ1つ色合いや図案が多少異なるのも魅力。

 

――現在、好評発売中の「犬吠埼しょうゆ皿」制作のきっかけもお聞かせください。

吉川さん「初めて、富士と桜の柄の3Dしょうゆ皿を見た時、これを犬吠埼の風景で(損してでも)作ろうと思いました。

プロカメラマン級の腕を持つ銚子市役所の方が撮影した、犬吠埼の日の出画像を使用させていただき、3Dしょうゆ皿制作のノウハウを持った会社の3Dプリンタで試作し、修正を重ね綺麗なグラデーションの犬吠埼の日の出を表現したしょうゆ皿が完成しました。最終的には石膏のマスター型を作り、生産しました。犬吠埼しょうゆ皿が販売されてまもなくの2020年6月24日、朝日新聞の千葉版で紹介していただいたところ、2日後には初回生産した全数量売り切れてしまいました。デジタル版でもこの記事が配信されたことで、日本全国に留まらずニューヨーク在住の銚子出身の友人をはじめ、韓国やカナダからも注文がありました。香港の旅行サイトのフェイスブックでも掲載していただけるなど、国内外から大きな反響をいただきました。地元のお客様には記念品、プチギフトとしてご利用いただいております」

お醤油を入れる前も美しい犬吠埼灯台を臨む絶景が楽しめる。

 

――その他の「犬吠埼モチーフ商品」についてもお聞かせください。

吉川さん「『犬吠埼灯台彫急須』は、手彫りの急須です。生産した3点のうち、1点はオランダへ発送しました。残念ながら、彫り師がご高齢のため、再生産する予定はございません。その一方で、有田焼の美しい白磁に、イッチンという 泥漿(水で溶いた粘土)で盛り上げて図案を描く技法で描かれた『犬吠埼灯台フリーカップ』の新デザイン版と、有田焼・童工房謹製『犬吠埼灯台箸置き』は、2月下旬から新発売となりましたので、ぜひ注目していただきたいです」

「芸術品」と呼びたい、職人技が光る急須。残念ながら再生産の予定はないとのこと。

 

2月下旬に新発売された犬吠埼フリーカップⅡ(有田焼)(¥1,760 税込)と灯台箸置き(¥770 税込)。手づくりならではの温かな雰囲気も魅力。

 

犬吠埼灯台のほかにも、いわしをモチーフにしたアイスクリームスプーンなど、銚子という港町に暮らす人々の視点で、日常使いできるうつわや雑貨を作り続けている吉川陶器店。今後も、灯台愛いっぱいの商品を多くの人に届けてくれるでしょう。

 

吉川陶器店オンラインショップ「The 港町スタイル」