珍しい四角形の窓が特徴的 初点灯から間もなく100周年 【徳島県阿南市 蒲生田岬灯台】

2023/03/31

四国最東端の岬にある徳島県阿南市の蒲生田岬灯台は、海抜約50メートルの高さから、太平洋や瀬戸内海だけでなく、天気の良い日には淡路島や対岸の本州・和歌山県までをも一望できる景観が魅力的な灯台だ。

一方でその周辺の海域は浅瀬が多く、複雑な潮の流れのため航海の難所となっており、周辺住民の要望により建設された蒲生田岬灯台が1924(大正13)年に初点灯した。

その後の改修工事により、付近の浅瀬の照射灯も併設され、灯台としては珍しい四角形の窓を持つ形状となった。

また、岬の北寄りにある砂浜には、県の指定希少野生動物種に指定されているアカウミガメが産卵にやってくることでも知られている。近くにある波と風をモチーフにした石のモニュメント「波と詩」のハートをイメージした空洞からは、約6km沖にある伊島や地平線を望むことができる。

徳島海上保安部交通課の藤崎裕衣さんは「蒲生田岬灯台と対岸の紀伊日ノ御埼灯台(和歌山県日高郡日高町)を結ぶラインは瀬戸内海と太平洋を分ける境界線と定められています」と、蒲生田岬灯台が持つもう1つの大きな役割について語ってくれた。

初点灯から間もなく100周年を迎える節目にあたって藤崎さんは「この灯りを絶やすことなく日々整備していきますので、このような機会にさらに親しみや愛着を持って広く知ってもらいたい」と決意を新たにしていた。

 

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