地元ボランティアの協力を得て「登れる化プロジェクト」を実現 【愛知県知多郡美浜町 野間埼灯台】

2023/03/31

11月1日の灯台記念日にちなみ、日本財団は海上保安庁との共催により11月1日~8日を「海と灯台ウィーク」と定め、全国で様々な催しを開催している。

1921(大正10)年3月1日初点灯で、愛知県最古の灯台である野間埼灯台でも、「海と灯台ウィーク」期間中の2022年11月5日に、登録有形文化財に認定されたことを記念する式典が行われた。

美浜町のまちづくり活動を行うボランティア団体「美浜まちラボ」の林達之さんは、小学校で社会科を教える教諭で、野間埼灯台との関わりはおよそ10年前にさかのぼる。「野間小学校に勤めているときに町のことを調べようという話になって、子どもたちが灯台のことをやりたいと。それでパンフレットを作らせたんですよ。『野間灯台パーフェクトガイド』という」と、そのきっかけを振り返る。

当時の子どもたちが作ったパンフレットでは、野間埼灯台のことが次のように書かれている。「長い旅をしてきた船員さんたちにとって、野間埼灯台の光は『お疲れさま』や『お帰りなさい』の合図」なのだ、と。

その後、林さんは野間埼灯台に人を集めるイベントの開催や、その歴史をまとめた冊子『野間灯台100年誌』(地元では愛着を込めて「野間灯台」と呼ばれる)をクラウドファンディングで発行するなど、灯台と深く関わる活動に力を入れるようになった。

その中で、灯台を活用する新たなアイデアも生まれている。林さんは「灯台を大きな空き家だと考えて、それを有効利用できるようなことをしようと『野間灯台登れる化プロジェクト』を始めました」と語る。

その始動から7年が経った2022年3月には、林さんが所属する美浜まちラボが「航路標識協力団体」に指定され、野間埼灯台の「登れる化プロジェクト」が実現することとなった。

「私は社会科の教員なので、地元のために何かをしているところや、それによって社会が動いていくところを見せたいと思っています」

林さんが自身の活動を通して子どもたちに伝えたいことは、「灯台という存在が地域との関わりの中で実現できるものがある」ということ。それを、より具体的なアクションとして根付かせている。

 

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