漁業の町に安全と安心をもたらす“母なる灯台” 【山形県鶴岡市 鼠ヶ関灯台】

2023/03/31

日本海に面した山形県南部で、古くから漁業の町として栄えてきた鼠ヶ関。その漁港の入口に位置する岬、弁天島(名前は島だが陸続きになっている)の先端に、町のシンボルでもある鼠ヶ関灯台が立っている。弁天島にある金比羅神社の赤い鳥居とのコントラストが美しい白亜の灯台だ。

鼠ヶ関で寿司店「鮨処 朝日屋」を営む4代目大将、佐藤丈典さんは、「海は目の前ですし、貝を獲りに行ったり、釣りに行ったり、泳いだりね。子どもの頃からの遊び場の目の前に灯台があるという感じでした」と、幼い頃から灯台は生活の一部だったと語る。

さらに、「『恋する灯台』に認定されたり、プロジェクションマッピングをやったりといった観光への取り組みはもちろん、大漁祈願、航海安全という灯台本来の役割もあります。この灯台があることで漁師さんも安心して海に行けるのかなと思います。そのおかげで私たちも新鮮なお魚を仕入れて旨い寿司が握れます」と佐藤さんは言う。

灯台の存在と、その果たす役割によって、漁民だけでなく地域住民の生活がうまく循環して成り立ってきたことが伝わってくる。

「母なる灯台というか、どっしりと私たちを見守ってくれているようで、大きな心でみんなを包み込むような感じの灯台です」と、まるで家族のようなその存在感の大きさと包容力を表現する佐藤さん。「灯台があることで、町を盛り上げていくことができれば」と、灯台と鼠ヶ関の町の未来にも期待を寄せている。

 

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