荒々しい自然の営みを感じる地形の中でアクセントとなる灯台も観光資源に 【岩手県大船渡市 碁石埼灯台】

2023/03/31

岩手県南東部、末崎半島の先端に位置し、入り組んだ海岸線が連なる碁石海岸の岬に立つ高さ10.5メートルの白亜の灯台、それが1958(昭和33)年に初点灯した碁石埼灯台だ。

碁石埼灯台のすぐ近くにある飲食店「お食事処 岬」の店主、熊谷弘信さんは1999(平成11)年に義理の父親が営んでいた水族館から業種を変え、食堂を開業した。三陸の海の幸をふんだんに使った「海鮮丼」や「磯ラーメン」が名物だ。店を訪れる観光客には「せっかく来たんだから灯台も見て行ってね」と声を掛けている熊谷さん。「普段はなかなか見る機会のないものですから」という気持ちからお勧めしているのだという。

一帯は三陸復興国立公園の一部でもあり、岬ではラベンダーや桜、椿など四季折々の花々も楽しめ、海岸線ではコバルトブルーの海と松林が美しいコントラストを描いている。

また、碁石海岸には、その名の通り碁石のような黒い玉砂利の「碁石浜」以外にも、3つの洞門を持つ「穴通磯」など「碁石八景」と呼ばれる景勝地が存在している。海水の浸食によってできた特異な地形を「穴通船」と呼ばれる遊覧船に乗って巡るのが王道の楽しみ方だ。

碁石海岸と碁石埼灯台、そのいずれをも愛する心から、この地で憩いの場を提供し続ける熊谷さんは、「碁石海岸は岩場を歩いて観光するのもいいし、天然の地形でこういう場所はあまりないと思います。そんなところに来ていただいているので、灯台もあるし、展望台もあるし、といった形で、観光の1つとして利用してほしいと思います」と語る。碁石埼灯台は2016(平成28)年に「恋する灯台」に認定されており、カップルで訪れる観光客にとっても、周辺の観光も含めて思い出深いスポットとなることは間違いないだろう。

 

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