灯台は「海の信号(航路標識)」にとどまらない ──地域・人・体験をつなぐ、新しい海の楽しみ方(海と灯台プロジェクトとは)
2026/04/28
灯台と聞くと、「船の安全を守るためのもの」というイメージを持つ方が多いかもしれません。
普段の暮らしの中で、灯台を身近に感じる機会はそれほど多くないのも事実です。
けれども、少し視点を変えてみると、灯台はその土地ならではの物語や、人の営みが集まる場所でもあります。
「海と灯台プロジェクト」は、灯台をきっかけに、そうした魅力を見つけ出し、新しい体験として届けていく取り組みです。本記事は「海と灯台プロジェクト」について、日本各地での灯台利活用事例をふまえながらご紹介します。
灯台は、その土地の“海の記憶”を語る

国の重要文化財に指定された、歴史的・技術的に極めて貴重な現役灯台「犬吠埼灯台」
例えば、千葉県の犬吠埼灯台。
この灯台は、明治時代、日本が海外との交流を本格的に始めた頃に設置されました。
海の安全を守るだけでなく、「日本が世界へと開かれていった時代」を今に伝える場所でもあります。
三重県の安乗埼灯台では、2026年2月に資料館がリニューアルされ、地域の海の歴史や特徴を楽しく学べる場になりました。
灯台は“遠くから眺めるもの”から、“訪れて知る場所”へと変わりつつあります。
灯台が、人と地域をつなぐ
長崎県の生月島では、島の北と南にそれぞれ集落があり、同じ島でありながら行き来が少ないという課題がありました。
そこで、北部の「大バエ鼻灯台」と南部の「生月長瀬鼻灯台」をシンボルとして、地域が一緒にイベントを開催。
灯台を巡る企画を通じて人の流れが生まれたことで、島の中に新しいつながりが育まれました。
この場所は、はるか昔、遣唐使が行き交った海にも面しています。
海を通じて人と人が出会ってきた歴史が、今の地域づくりにも重なっているのです。

多くの人々でにぎわう「大バエ鼻灯台」イベントの様子
灯台で、こんな体験が生まれています

全国各地で行われている灯台利活用事業
いま、灯台ではさまざまな楽しみ方が広がっています。
・島根県・出雲日御碕灯台
灯台のそばで音楽フェスが開かれ、多くの人が集う場所に
・静岡県・門脇埼灯台
音声MR技術で、物語の中に入り込むような体験ツアー
・青森県・大間埼灯台
地元の漁師とともに海から灯台を眺めるクルーズ
・秋田県・入道埼灯台
地形や郷土料理と組み合わせた体験イベント
灯台は、歴史や自然だけでなく、音楽やテクノロジー、食といったさまざまな分野と結びつき、訪れる理由そのものを広げています。
灯台から、新しい楽しみ方が広がる

灯台には、もともとその土地ならではの物語があります。
そこに少し新しい視点を加えるだけで、旅の目的地になり、学びの場になり、人と人が出会う場所にもなります。
地域の魅力を見つけたい人にとっても、
新しい体験を探している人にとっても、
灯台は、これからの楽しみ方のヒントを持った場所といえるかもしれません。
そして、その可能性は、まだまだ広がっています。
灯台の光は、これまで海の安全を守ってきました。
これからは、人の心を動かす新しい体験を照らしていく存在にもなっていきます。

【海と灯台プロジェクト 関連リンク】
公式サイト https://toudai.uminohi.jp/
灯台利活用の事例情報 https://toudai.uminohi.jp/model-2025/
学校・教育機関からのご相談・ご質問に対応しています https://toudai.uminohi.jp/notification/post-8794/
