白神岬灯台の旧レンズを公開 松前町郷土資料館で展示開始

2026/05/08

北海道松前町にある松前町郷土資料館で、同町にある「白神岬灯台」に使われていたレンズの展示が始まりました。冬季休業を終えて公開を再開した4月10日より、入口脇に特設コーナーを設け、2025年に函館海上保安部から寄贈された旧灯器を公開しています。

展示されているのは、約70年以上にわたり灯台で使われてきたフレネルレンズと、その回転を支える装置です。あわせて、灯台で実際に使われていた「まむしに注意」の手作り看板も並び、現場の雰囲気を伝える構成となっています。

白神岬灯台とは

白神岬灯台は、北海道の最南端に位置する灯台です。設置は1888(明治21)年。北海道開拓が進む中で、津軽海峡を行き交う船の安全を支えるため、道内6番目の灯台として整備されました。

設置当初は鉄造の六角形の塔で、白と黒の模様を持つ外観でしたが、1951(昭和26)年に現在の鉄筋コンクリート構造へと改築されています。その後、1981(昭和56)年に機械の自動化により無人化され、現在も航路標識としての役割を担い続けています。

松前町に寄贈されたレンズの特徴

海保から松前町に寄贈され、展示されているのは、1951年から2024年まで使用されていた「4等フレネルレンズ」と「水銀槽式回転機械」です。

フレネルレンズは、光を効率よく遠方へ届けるために設計された灯台専用のレンズで、直径約50cm、高さ約72cm。内部の構造によって光を屈折させ、遠くまで届く強い光を生み出します。

水銀槽式回転機械は、そのフレネルレンズを回転させるための装置。水銀を満たした器の上にレンズが浮かぶ構造で、摩擦を抑えながら滑らかに回転できます。これにより、30秒周期で白色と赤色の光を交互に放つしくみとなっていました。

現在はフレネルレンズから小型のLED灯器へと更新され、大がかりな水銀槽式回転機械も必要なくなりました。長年にわたり津軽海峡を照らしてきたレンズと、それを支え続けた機械は静かに役目を終え、今度は地域の歴史を伝える存在として、郷土資料館で来館者を迎えています。

▲フレネルレンズの後を継いで活躍しているLED灯器。回転しながら、赤と白の光を放っています

▲2025年10月1日に行われたレンズ寄贈式の様子。函館海上保安部の藤吉克博部長から松前町の若佐智弘町長に譲与承認書が手渡されました