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「海と日本プロジェクト」総合プロデューサーが語る「恋する灯台」プロジェクトの成果と課題(全国灯台文化価値創造フォーラムより)

2020/03/08

2019年12月10日に行われた「全国灯台文化価値創造フォーラム」。灯台のある全国自治体が一堂に会し、灯台の利活用についてさまざまな意見交換や発表が行われました。

新たな視点からの灯台の利活用をテーマ5人の有識者がプレゼンテーションを行いました。「海と日本プロジェクト」総合プロデューサーそして、「恋する灯台」プロジェクト推進担当の波房克典氏のプレゼンテーションテーマは「恋する灯台プロジェクトの実施成果と課題について」。これまで協力してくださった自治体の方への感謝を述べつつ、改めてプロジェクト立ち上げの経緯から実施成果、浮き彫りになってきた課題について語りました。

 

2016年に「海と日本プロジェクト」した頃に、「恋する灯台」のアイデアが浮かんだことを振り返った波房氏。灯台への関心を若者層に広めたいと考えた時に「愛や恋に訴えれば、シンプルでありながら強い動機づけになるのでは?」と考えたそうです。

 

灯台の現状を考えたときに次の3つのポイントが浮かんだそうです。

ポイント1:航路標識としての「灯台」の役割が変わろうとしている(船の公開技術の進展により)

ポイント2:「灯台」そのものへの関心を増やし、「灯台」を訪れる人を増やすこと(特に若者層)

ポイント3:「灯台」を地域資源として活用する手段や具体的な例を増やすこと

こうして誕生した取り組みのひとつが「恋する灯台」プロジェクトでした。青い空と広い海、僕と君しかいないという気持ちが味わえるロケーションは、灯台でしか味わえない感覚だと説明した波房氏。灯台、そして、灯台を持つ自治体のみなさんに、愛や恋を切り口に盛り上げてもらおうということで「恋する灯台」の6つの認定基準を設けました。Place、History、Access、Romantic、Ocean view、Shape。これらの頭文字「PHAROS」とは、灯台の語源とされるレクサンドリアの大灯台があるファロス島に由来したものと教えてくれました。

4年かけて全国49市町村長を表敬訪問し、全部で51基の灯台と美しいロケーショんを見てきたという波房氏。各市町村で記者発表をしたことに触れ、改めて感謝の意を述べる場面もありました。「個人的には、最果ての地に立ち、地球そして非日常を感じる灯台は、デートスポットとして最適だと感じています。ウェディングやハネムーンにも最適だと思っています。とにかく美しいですよね」と恋する灯台の地での感想を披露していました。

「恋する灯台」プロジェクトのミッションはメディアを通して関心を持ってもらうことだと説明。「海と日本プロジェクト」の一環である「恋する灯台」プロジェクトが多くのメディアに露出することで灯台に関心を集める一定の役割を果たしたこと、灯台に行くだけでなく地域、そして海の魅力を開発するきっかけになったことにも触れていました。

「灯台をめぐり、地域の海の魅力を巡るアクティビティを開発したい!」

という思いは、各自治体の自発的な動きにも繋がったとし、その取組事例の一部を紹介する場面も。取組として多かったのが灯台を訪れるツアー企画です。マラソン大会、イルミネーション、キャンドルのイベントや恋活・婚活イベントなど、各自治体の取組について写真を交えて紹介した波房氏。2年前に開催された灯台サミットを振り返り「当時は、イルミネーションやプロジェクションマッピングをやりたいという声はありました。でも、どうやったらできるの? という段階でしかなかったのです。しかし、どこかの自治体が挑戦することで、真似をする自治体が出てきます。その現象がいつのまにか、イルミネーション、プロジェクションマッピング、恋活・婚活イベントなどは、灯台の利活用として人気、かつ定番の取組となっていきました」と自治体の自発的な活動について説明していました。

また、WEBメディア「灯台へ行こう」編集部を通して地元の取組を取材。記事にして媒体に掲載し、さらにその情報を各自治体へメールマガジンとして配布。メールマガジンを元に自治体に横展開していってもらうう取組についても説明した波房氏。編集部を設けることで、さらに自治体の取組が活発になり、自発的なイベントの開催が増えたことも強調していました。ウォーキングイベントやプロジェクションマッピング、イルミネーションといった定番から、ブレンダーとのコラボのコーヒーを作ったり、テーマソングが生まれた地域もあり! 全国でなんと150事例以上の新たな取組事例が誕生したことに触れ、プロジェクトを盛り上げてくれたことへの感謝の意を述べていました。

さらに、「認定灯台」利活用による地域活性化施策を推進するうえで、今後取り組みたいと思っていることをお知らせいただいたアンケートでは、自治体がツアーイベント、ナイトツアー、ライトアップ、オリジナル商品の開発、カフェ、婚活という取組に興味を持っていることを明かし、さらに、すでに取組の経験のある自治体を紹介するなど、横の繋がり情報交換の提携なども生まれていることも教えてくれました。

活発な自発的取組事例や、横連携など前向きな動きが出ている一方で、浮き彫りになった課題について明かした波房氏。「恋する灯台」の認定だけではなく、「恋する灯台のまち」として、街ぐるみの取り組みをしてほしいとのこと。

「灯台×恋愛」というだけでは、多様な魅力にすることはできないとし、「灯台の意味、灯台そのもの立地から紡ぎ出されるストーリーは大切です。灯台に注目が集まったからこそ、切り口は必要だと感じています。また、自治体連携プラットフォームを活かし、さらなる切り口を開発するも必要だと考えています。灯台の利活用に関するニーズの現状把握ができていない状況にも問題を感じています。多様な切り口を生み出すには、従来と異なる連携先も必要と考えています。また、個別地域だけでなく、全体感、一体感を持って取り組むという体制作りも必要だと考えています」と説明していました。

「恋する灯台」プロジェクトをますます盛り上げていきたいと語った波房氏は、「灯台に関してのさらなる文化的価値の掘り下げが必要だと感じています」と強調し、プレゼンテーションを締めくくりました。