ゆるキャラモチーフの周遊バスで、「恋する(アベック)灯台」を巡る【和歌山県串本町 樫野埼灯台・潮岬灯台】

2019/09/30

本州最南端の町、和歌山県串本町。この町には2つの「恋する灯台」があります。

ともに2016年に「恋する灯台」に認定された樫野埼(かしのざき)灯台と潮岬(しおのみさき)灯台は、太平洋を望む灯台として町の人々にも観光客にも親しまれています。

樫野埼灯台は町の東側「紀伊大島」の東端に、潮岬灯台は町の南端「潮岬」で海の安全を守ってきました。

潮岬では2019年7月27日より「南紀熊野ジオパークセンター」開館にあわせて、2つの「恋する灯台」周辺や町内を巡る周遊バス「まぐトル号」が運行しています。

町で養殖が盛んな「クロマグロ」がモチーフのご当地キャラ「まぐトル」君。その名を冠したバスに乗って、2つの「恋する灯台」&周辺観光デートをじっくり楽しんでみましょう。

まぐトル号はJR串本駅を出発、周辺の宿泊・入浴施設へ停車した後、観光名所の奇岩群「橋杭岩(はしぐいいわ)」へ向かいます。

まさに橋を渡すための杭のような細長い形の岩がずらりと並ぶ光景を海岸沿いに見ることができます。インスタ映えする2ショットが撮れそうですね。

続いてバスは町の南側、潮岬方面へ向かいます。バス停を降り少し歩いていくと、本州最南端の地に佇む「潮岬灯台」に出会えます!

高さ23mの潮岬灯台の存在感と、遮るもののない海の大パノラマ。そのダイナミックな風景に、2人してただただ圧倒されることでしょう。心ゆくまで灯台からの海の景色に浸ってみてはどうでしょう。

和歌山県は毎年、多くの台風が通過することでも有名です。潮岬もたくさんの台風にさらされてきましたが、嵐の中でも立ち続ける灯台の姿を思うと、苦しいときも乗り越えられる強い“勇気”を感じられるはずです。互いにその気持ちを胸に刻んで、次のスポットへ……。

ちなみに、潮岬灯台から東へ徒歩10分ほどの場所に「南紀熊野ジオパークセンター」も所在します。

和歌山県南部はプレートの動きにより多彩な地形や地質が生まれたスポット。串本町を含む南紀10エリアが連携し、オープンしたのがこちらの施設。プレート同士がここで出会い、新たな地形を生み出す…。まるで人と人が出会い恋を育むさまに例えられそうな地で、自然の神秘に触れてみるデートも素敵かも?

 

「まぐトル号」はさらに串本町の東部にある紀伊大島へ向かいます。島へは「くしもと大橋」と呼ばれる橋を渡ります。

この島の東端にあるのが、もう1つの「恋する灯台」樫野埼灯台!

樫野埼灯台は「日本灯台の父」として知られ、日本の多くの灯台を設計してきたイギリス人技師ブラントンによる設計です。

樫野埼は海の難所でもあり、明治時代にはトルコ(当時のオスマン帝国)の軍艦が難破した「エルトゥールル号遭難事件」が起きたことでも有名です。

このとき人々は遭難者の救助や生活支援にあたり、灯台前広場にはトルコ共和国建国者である「アタテュルク」の像が置かれ、日本とトルコの友好の証となっています。ちなみに「まぐトル」の名は、トルコにも由来します。

かつて、日本とトルコを友情で結び付けた歴史的灯台は、いま、訪れた2人を強い愛で結びつけてくれる……。樫野埼灯台への旅は、そんな明るい“希望”を心に刻む灯台デートになるはずです。

「まぐトル号」は1回の乗車料金1回500円、1日乗車券は1,000円(車内で購入可能)です。それぞれに個性的で勇気と希望を与えてくれる2つの「恋する灯台」から、2人で雄大な海と水平線を眺めてみませんか?