希望の光を灯す。「恋する灯台」をエコ・キャンドル・アートで表現【福井県越前町 越前岬灯台】

2019/10/11

日本海に面した福井県の嶺北地方西部に位置する越前町。2017年に「恋する灯台」に認定された「越前岬灯台」は歴史、文化などさまざまな特色を持つ越前町の “海”を象徴する存在です。

この灯台を絵柄に使った幻想的なアートイベント「いとうエコ・キャンドル2019」が9月22日(日)に開催されました。

今年は台風の影響で一度は中止の決定されたものの、参加者たちの強い希望により規模を縮小して実施。福井県の花であり町花の「越前水仙」や、「越前岬灯台」をモチーフとしたキャンドルアートが夜を彩りました。

イベントは今年で10回目。地元の有志団体「すみよい糸井(いとう)を創る会」が主催しました。団体を主導する渡邉久志会長によると「当初は約3万個のキャンドルを使って縦30m×横28mで描く予定でしたが、今回は天候が悪く、灯台部分のデザインをメインに2000個のキャンドルを使って10m×20mで描きました」とのこと。

このアートで使われるキャンドルは、夏が始まる前から地元・糸井小学校の子供たちや地域住民らが定期的に集まって、廃油を使って3カ月間かけてこつこつと作ったもの。今年用意したエコ・キャンドルの数は、なんと3万個だとか!

当日はセッティングの時間が短く雨も降っていたため、通年のようなはっきりとした絵が浮かび上がらなかったと渡邉会長はとても残念そうでしたが、色とりどりのキャンドルが灯った様子はとても美しくて幻想的ですよね。写真では天地が逆になっていますが、上を底辺に水仙と灯台がちゃんと描かれているのをご覧いただけますでしょうか。

ちなみにこちらはもともと描こうとしていた灯台の絵柄デザイン。

災害などで世の中が混沌としている今、世代を超えたコミュニケーションを通じて地域住民が元気になり、令和の新たな時代に希望を持とう~との願いを込めて「令和、希望のかがやき」をテーマに。「恋する灯台・越前岬灯台」と「越前水仙」を中心に、“夕陽の百選”にも選ばれた美しい夕日と、日本海の沖合でまたたく漁火をあしらったのだとか。

そしてこちらは2018年に実施された際の作品。昨年開催の「福井しあわせ元気国体」に参加する地元選手を応援するために、「国体応援 ホッケー勝利」をテーマに制作されました。

毎年、心のこもったメッセージが込められた「いとうエコ・キャンドル」。令和最初となるイベントを飾った「恋する灯台・越前岬灯台」も、そんな愛にあふれる参加者たちを温かく見守っていたはずです。

そして近い将来、きっと「恋する灯台と水仙」のキャンドル・アートが、越前町を訪れた2人の心にも希望の灯を灯すことでしょう。