「恋する灯台」に映し出される独創的な光と影のアート【愛知県美浜町 野間埼灯台】

2019/08/21

愛知県・知多半島の西側にあり、伊勢湾を望む「野間埼灯台」。1021年(大正10年)に設置された愛知県で最も歴史のある灯台で、地域の人々からは「野間灯台」という通称で親しまれています。青い海を背景に佇む姿は、いかにも「灯台」!

晴れた日には青い海と灯台の白のコントラストが美しく、夕方には沈んでゆく太陽と灯台のシルエットに「絶景」という声も多く聞かれます。灯台の側には「絆の音色」と呼ばれる五線譜をモチーフにしたモニュメントがあり、このモニュメントに南京錠をかけると恋愛が成就するというジンクスがあるのだそう。野間埼灯台を訪れたカップルの定番デートプランにもなっているそうです。

灯台前には「絆の鐘」という実際に鳴らせる鐘も。恋人の聖地ともいえるスポットとなっており、2018年に「恋する灯台」に認定されました。野間埼灯台では、海の日である2019年7月15日に一般公開が行われました。通常は公開されていない灯台の内部を見学し、実際に頂上まで昇ることもできるイベントとあって、当日は朝から多くの人が訪れました。

切り立った崖や岬の上に建てられることの多い灯台ですが、野間埼灯台が立っているのはなんと砂浜のすぐ近く。アクセスの良さも魅力といえそうです。野間埼灯台の高さはおよそ18m。灯台の内部は狭いので、約10名ずつの入れ替え制で灯台を見学していきます。当日はあいにくの曇り空でしたが、家族連れなどたくさんの人が頂上へ上り、吹き抜ける潮風を楽しんでいました。

さらに、夏から秋にかけての野間埼灯台は夜間のライトアップも見どころ。灯台の白い姿が夜空に浮かび上がり、とても神秘的なムードを演出。100年近い時をこえてなお、町のシンボルとしての存在感は十分です。

また、野間埼灯台では年に一度のスペシャルライトアップ「デジタル影絵プロジェクション」も実施しています。2019年は、8月17日(土)と18日(日)の2日間に催される予定だったのですが、諸事情により残念ながら中止となってしまいました。

※写真は2018年度の様子です。

「デジタル影絵プロジェクションマッピング」は、独自開発のLED機材を使って、灯台に鮮やかな絵を映し出していきます。映し出されるのは、知多半島や美浜町を象徴する豊かな自然や海の生き物たち。通常のライトアップとはひと味違ったプロジェクションマッピングに、昨年訪れた人は歓声を上げていたそうです。ぜひ再実施を心待ちにしたいところです!野間埼灯台のライトアップは11月中旬まで実施予定。夕方から夜にかけて、刻一刻と印象を変えていく伊勢湾と灯台の姿は、きっと素敵な思い出になることでしょう。