開港120周年を彩る富山の「恋する灯台」初のライトアップ【富山県高岡市 岩崎ノ鼻灯台】

2019/11/01

2017年に「恋する灯台」の認定をうけた、富山県・北西部の高岡市沿岸に建つ「岩崎ノ鼻灯台」。市内唯一のこの灯台は、高岡市の海の玄関・伏木港が重要港湾として指定された「伏木港整備3ヶ年計画」(1951年)のスタートと共に竣工。その年の5月に初点灯されて以来、約70年にわたり“海のみちしるべ”として富山湾を航行する船舶の安全を守る燈を灯してきました。

歴史をさかのぼれば天平18年(746年)に越中国守として大伴家持が着任した時代からすでに利用されていたという伏木港。明治32年(1899年)には外国との自由貿易が可能となる開港場に指定され、今年で120年。高岡市では120周年を祝う記念式典やシンポジウム、パネル写真展など各種イベントが行われています。

この「伏木港開港120周年記念事業」の一環で、岩崎ノ鼻灯台 初のライトアップイベントが10月19日に開催されました。

この日は悪天候のため、同時開催予定だった灯台の一般開放は実施されず。直前まで開催が危ぶまれたライトアップイベントですが、鑑賞会場を当初予定していた国分海浜公園から「伏木コミュニティセンター」へと移して実施されました。

普段は夜空を貫く灯火のみの灯台がこの日ばかりは15分ごとにピンク、青、白の3色に(※写真はデモ点灯時のもの)。夜空を彩る美しい「恋する灯台」の姿には、カップルはもちろんのこと、誰しもウキウキしてしまいますよね。

この日イベント会場では、灯台鑑賞のほかステージショーも。豚汁などの配布も行われ、足元の悪い中駆けつけた来場者たちは、初めての試みとなるライトアップイベントを楽しみました。

 

また今年、富山湾は「世界で最も美しい湾クラブ」加盟5周年。報道もされていたのでご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、「世界で最も美しい湾クラブ」とは湾を活用した観光振興と自然の保全を目的とするNGOのことで、ユネスコの支援を受ける世界的な団体です。

こちらの日本初となる世界総会が、10月中旬に富山県で開催。120周年の一環で催された岩崎ノ鼻灯台のライトアップは、この世界総会の時期にあわせて行われたという祝祭的なイベントでもあったのです。

古よりさまざまな歴史を積み重ね、日本海の自然&景観を大切に守り続けることで貴重な資産となっている富山湾。恋人たちの新たなデートスポット「恋する灯台・岩崎ノ鼻灯台」も、その新たな歴史の1ページとして刻まれていくことでしょう。