目指すは全国3,000基!【灯台×家紋】パーソナルな「灯紋」で灯台を身近な存在に

2020/12/09

年々減っていく「灯台」を後世に護り残すため、灯台についての魅力を精力的に発信し続けている「続・灯台護(とうだいもり)プロジェクト」の運営チームさん。そのコンテンツの1つに家紋と灯台を組み合わせてデザイン化した「灯紋」があるということで、詳しい内容とあふれる灯台愛についてお伺いしました。

「灯台を“大衆化“したい」という想いをきっかけに、企画が立ち上がったという「灯紋」。

デザインを担当するのは、個人的(=パーソナル)な家紋、名づけて「パ紋」の企画制作をされている元・吉本芸人の原田専門家さんです。

制作をお願いする際は、まず「基本ルール」である【1. 縁部分に灯質を表現する】、【2. その灯台らしさをPRする素材を入れる】など、デザインのベースとなる必要情報を伝え、その後は基本的にはプロのデザイナーである原田さんのインスピレーションにお任せしているそう。

(宮城県南三陸町・寺浜灯台 キャンプ場の高台に建つ灯台で、灯紋にはテントが描かれている)

苦労するのは、灯紋デザインに入れるPR要素が「今後、他の灯紋作成の際に被らないか」とかなり気を使ってチェックしなければならない点。また、現状のラインナップは運営チームさんが“訪問した灯台”という偏りのあるチョイスになっているので、「もし灯台情報の提供者が増えれば全国の灯台に展開したい」という思いもあるのだとか。

 

そして運営チームさんのお気に入りの灯紋は、プロジェクトを始めるきっかけとなった「大関酒造今津灯台」!

(大関酒造今津灯台の灯紋)

兵庫県西宮市の今津港に立つ大関酒造今津灯台は、日本でも珍しい民間所有の灯台です。今年、創建210年を迎える「日本最古の現役木造灯台」として、西宮市指定重要有形文化財に指定されています。

実家が今津浜から徒歩10分という運営チームさんは、2年前に帰省した際に近年の天災対応で水門工事と共に灯台の移設も検討されていることを聞き、子ども時代の思い出の情景が変わってしまうことに少しばかりの寂しさを感じたのだそう。

それがきっかけとなり灯台について調べたところ、灯台そのものも年々数を減らしている事実を知ることに。そして「自分と同じ想いを抱く人たちもいるのでは?」と思い、2019年1月に「続・灯台護プロジェクト」を立ち上げました(ちなみになぜ“続”なのかというと、これまで灯台を護り、価値を高めようと尽力されてきた灯台ファンの方より後発だから。また職業としての灯台守はいなくなったものの、“灯台を後世に遺す”人々は続いているという深い意味も!)。

(今年春に新しい灯台が建ち役目を終えた旧・安房埼灯台の灯紋)

今後の「灯紋」の目標は、「全国の、特にマイナーな灯台の灯紋を作成して、ささやかながらその地域・灯台を応援すること」と語る運営チームさん。そのための“灯紋サポーター”を募ると共に、全国の灯台ファンと協力しながらプロジェクトを進めていければと考えているそう。

灯台についての情報をお持ちなら今がチャンス! 我こそはと思う方、そして灯紋に興味を持たれた方はぜひチェックしてみてくださいね。

 

灯紋 〜灯台のパ紋〜

https://note.com/todaimori_pj111/m/meab840ada7ac

続・灯台護プロジェクト

https://note.com/todaimori_pj111

 

取材:足立美由紀