海と空と太陽の街で作られた灯台モチーフのクラフトビール「犬吠ホワイトIPA」発売【千葉県銚子市 犬吠埼灯台】
2021/04/20千葉県・銚子半島から太平洋へと突き出た岬に佇む犬吠埼灯台。イギリス人技師リチャード・ブラントンによって設計され、明治7年(1874年)に初点灯となったこの歴史あるレンガ造りの西洋式灯台は、2010年に国の登録有形文化財に登録、2020年には国の重要文化財に指定されています。
関東最東端に位置する犬吠埼は、山頂・離島を除き“日本一早く初日の出が見られる”場所として知られています。このほど太平洋の大パノラマが広がる岬の町で、白亜の犬吠埼灯台をモチーフとした海と日本プロジェクトとのコラボによるクラフトビール「犬吠ホワイトIPA」が発売されました。
手がけたのは“銚子ビール”の製造・販売をメインとする銚子チアーズ。「あるモノつないで、ないコトつくる!〜100年後の街に希望の光を届けよう〜」をコンセプトに、銚子を楽しく元気にするようなコンテンツ作りを目指す地域プロデュースカンパニーです。
今回発売されたのはプレ開栓もされたクラフトビールの瓶ビールバージョン。その前身となったのは、2019年の灯台ワールドサミットin銚子の開催を記念して製造された地ビールで、その際は銚子チアーズの醸造士がレシピを作り、ビール自体は他の醸造所で作ってもらいました。その後正式に醸造所を構え、犬吠埼灯台が重要文化財となったタイミングで改めて瓶ビールとしてリモデルを検討していたところ、灯台がつないだ縁で今回のコラボレーションが実現することになったのだとか。
「犬吠埼灯台は街のみんなの象徴です。その真っ白い灯台に合わせて犬吠ホワイトIPAはホワイトビールにしました。犬吠埼は風が吹き抜け、空と海が心地よい場所です。そこで飲むのにふさわしい爽やかな味にしたいということで柑橘系のホップを選び、香りが強く苦味の効いた“IPA”というスタイルが採用されています」とは、銚子チアーズ代表取締役の佐久間快枝さん。
また、目を引く元気なラベルデザインは、イラストレーター・バルサミコヤスさんの手によるもの。銚子市にほど近い山武市出身のアーティストで、ももいろクローバーZ・佐々木彩夏「君が好きだと叫びたい」のCDジャケットをデザインしたほか、犬吠埼ホテル・ペンギン水槽の壁画デザイン・制作も行っています。
「商品名が“犬吠ホワイトIPA”なので、『灯台と海と空と太陽の光を感じられるものがいい。なにより140年以上もの間、銚子を守ってきた犬吠埼灯台に敬意を表したビールにしたい』と伝えたところ、商品イメージそのままにデザインしてくれました」(佐久間さん)
実は銚子チアーズの主力商品である“銚子ビール”のロゴマークにも、犬吠埼灯台が描かれています。そこには「銚子を活性化させたい、地元に恩返しがしたい」という熱い想いがこもっていました。
「以前は長らく東京にいたのですが、遠方にいても銚子にいても、想い浮かべる風景は犬吠埼灯台です。お正月になると日本で一番早い初日の出を見に行くのは私たちの習慣ですし、銚子の人たちにとって灯台というのは心の象徴でもあるので、銚子ビールを作る時にロゴマークに犬吠埼灯台と初日の出を入れないと意味がないなと。そもそも銚子に行きたいと思えるようなコンテンツを作りたいと思っていたので、『灯台を目指してください、そこにビールがありますよ』という感じなんです」(佐久間さん)
銚子ビアーズが醸造所を構えたのは、灯台近くの地域情報発信施設「犬吠テラステラス」内。やはりキーワードになるのは“犬吠埼灯台”だったのだとか。犬吠ホワイトIPAは施設内の「銚子ビール 犬吠醸造所&Taps」で味わうことができるほか、銚子チアーズのオンラインショップでも購入可能です。
海と空と太陽の街で作られた灯台リスペクトのクラフトビール「犬吠ホワイトIPA」。この機会に一度試してみてはいかがでしょうか?
取材:足立美由紀
犬吠埼灯台画像提供:銚子市観光協会