大須埼灯台も登場!石巻を旅する冒険RPG「キズナファンタジア」サービスイン【宮城県石巻市 大須埼灯台】

2021/07/09

信仰の島・金華山を有し、北上川がもたらす肥沃な土壌が育む農作物と世界三大漁場の1つに数えられる金華山沖の良質な漁場が豊かな食文化を作りだしている石巻市。

石巻ブランドである金華サバを筆頭に、ホヤ、牡蠣、茶色い蒸し麺が特徴の “石巻やきそば”などのグルメ、そして故・石ノ森章太郎の貴重な原画などを展示したマンガミュージアム「石ノ森萬画館」や“サン・ファン・バウティスタ(復元船)”を係留展示する宮城県慶長使節船ミュージアム「サン・ファン館」など。これら世代を問わず楽しめる観光資源を紹介する、石巻を舞台としたPRGゲーム「キズナファンタジア ~海辺の国の大聖典~」が人気となっています。

発端となったのは令和元年に開催された「いしのまき政策コンテスト」。石巻西高等学校の生徒が提案した「アプリを活かした街づくり」という街おこし政策が最優秀賞に。

「もともと石巻は『石ノ森萬画館』を中心にマンガを活かした街づくりというものを推し進めてきました。そこに高校生の方たちからの提案があり、マンガとアプリを組み合わせた時に“ゲーム”という町おこしが1つの方法としてあるんじゃないかということでゲーム開発に取り掛かりました」とは、石巻市役所・観光課の大和友大朗さん。

「ゲームユーザー目線で面白いというゲームと市のPRとのマッチングというバランスをどうとるのかが難しいところでした」(同)と、苦労した点も。

「キズナファンタジア」は、自然の調和が乱れて魔物がはびこるようになった王国を、国都出身の気弱な魔法師の少年ピーノが石巻で出会った仲間たちと共に救う冒険ファンタジー。勇気と成長、そして友情を描く“絆”の物語です。

ゲーム内では石巻の観光名所や特産品をモチーフにしたモンスターが多数登場。2018年に“恋する灯台”に認定された大須埼灯台や、灯台の眼下に広がる大須漁港の“ハートマーク”もバッチリ再現されています。

「大須埼灯台は雄勝地区の観光名所の1つでもありますので、灯台を活かした観光のあり方を考えていたところでした。雄勝のシンボルの1つである大須埼灯台を、ゲームを通して広く知ってもらいたいですね」(同)

また、この地域創生RPGで注目すべきは現実の石巻との連携が強化されていることです。

まず気になるのは「GPS連動」。アプリ内で指定された観光名所や公共施設を実際に訪れ、スマートフォンのGPS機能を使って認証されると、ゲーム内で使用できる「絆の宝石」がゲットできます。この宝石を集めることで、ゲーム内で使用する強力な武器と交換可能に。

そして嬉しい機能となる「クーポン実装」も。アプリ内で指定された店舗を実際訪れクーポンを提示すると、キャラクターグッズがもらえたり、店舗独自のお得なサービスが受けられたりします(※クーポン1枚につき、それぞれ1回まで)。

この他にも、いしのまき観光大使であるホヤドルの萌江さんが石巻にまつわるクイズを出題するコーナーもあり、知らず知らずのうちに“石巻ファン”になる仕掛けが随所に散りばめられています。

「ユーザーのみなさんからは『市役所のゲームなので最初はカタいイメージがあったけれど、やってみると意外と面白かったです』とか、『石巻に行ってみたくなりました』といった声をいただいています」(同)

2年弱の開発期間を経て今年3月31日に配信開始となったアプリは、5月末時点ですでに1万5千ものダウンロードがされ、評判も上々。まずは「キズナファンタジア」で石巻への想いを高めつつ、実際に訪れた際は石巻のリアルな魅力を発見してくださいね。

取材:足立美由紀

画像提供:石巻市役所 観光課