22年ぶりの灯台お化粧直し&恋するリボン近況報告【岩手県大船渡市 碁石埼灯台】

2021/11/08

末崎半島の先端、碁石岬に佇む碁石埼灯台。1958年(昭和33年)の初点灯より、入り組んだ沿岸海域や大船渡湾を航行する船舶に光を届けてきました。

そして地域住民の憩いの場としても愛されるこの碁石埼灯台で、外壁を塗り直す“お化粧直し”が10月5日に実施されました。

1999年にタイル状だった灯台の外壁を現在のものに変更してからは、実に22年ぶりの塗装作業です。

碁石埼灯台は “白亜の灯台”というイメージですが、部分的にペンキがはがれ黒ずんだ部分もあったため、かねてから修繕して欲しいとの声がありました。そこで釜石海上保安部が主導となり、塗り替え作業を敢行。保安部の方々と碁石海岸観光施設等連絡会義メンバーら約20人が参加し、灯台とその周りの囲障をハケやローラーなどを使用して真っ白に塗り上げました。

「地元の参加者の方々は『灯台の塗装をするという経験を人生でできるなんて思ってもいなかった』などと話しながら、約1時間余り灯台と外側の柵の塗装を行いました」

とは、当日参加されていた大船渡市 商工港湾部 観光交流推進室の灯台担当者さん。実は今回の“お化粧直し”には、ある想いが込められていました。

「灯台には “海の道しるべ”としての機能だけではなく、陸側の観光資源としても期待しています。そのために今回は海上保安庁の保守作業としてではなく、地元の方と協力して化粧直しを行いました。今後も地元の方々と連携しながら、観光スポットとして灯台を活用していきたいですね」(釜石海上保安庁)

碁石埼灯台は2016年に岩手県初となる“恋する灯台”に認定。毎年5月に開催される「碁石海岸観光まつり」と連動して2017年から「恋する赤いリボン」イベントを行ってきました。

「恋する灯台リボン」に思いを込めて恋愛パワスポ巡りへ【岩手県大船渡市 碁石埼灯台】

このイベントはお祭り期間中の2日間で行われる、恋愛成就を祈願する催し物です。観光まつり会場ほかで配布している赤いリボンを手に入れたカップルは、碁石埼灯台の脇にある東屋に設置されたしめ縄に願いを込めて赤いリボンを結びます。

イベント終了後に赤いリボンは一旦縄ごと取り外され、その後、縁結びのご利益があるという熊野神社(大船渡市)に奉納されます。今年5月3日、4日で行われたお祭りの際には約50本ほどのリボンが結ばれ、この夏に神社にて恋愛成就のご祈祷をしていただきました。

恋する灯台にちなんで開始されたこのイベントも今では多数の方が参加され、すっかり定着したようです。

今後、装いも新たとなった碁石埼灯台を活用してどのような地元連携が行われるか楽しみですね。

取材:足立美由紀