灯台を“擬人化”!「燈の守り人」朗読劇とトークイベントをライブ配信

2021/11/17

航路標識として誕生した灯台の新たな価値創造に取り組む「海と灯台プロジェクト」。海と灯台プロジェクトの協力のもと、新しい取り組みとして進められているのが、灯台を男性キャラクターとしてデザインし、コンテンツとして発信する「燈(あかり)の守り人」プロジェクトです。

暗い海に潜む敵である「水禍(すいか)」から日本を守るため建てられた灯台に宿る“守り人”たちの戦いを描く「燈の守り人」は、マンガやボイスドラマとして展開予定。2021年11月1日・2日には、豪華声優陣による声劇「燈の守り人~明治開国編~」がライブ配信されました。

イベント初日にあたり、灯台記念日でもある11月1日には、開演前に「燈の守り人」出演声優(置鮎龍太郎/赤羽根健治/粕谷雄太/菅沼久義/宮崎寛務)によるトークライブ「灯台まるわかり!燈の『語り』人」も配信。日本財団常務理事・海野光行氏を迎え、クイズもまじえて灯台にまつわる知識を深めました。

海野常務理事を先生に見立てて、赤羽根さんの元気な「起立!礼!」の号令で始まったクイズ形式の「灯台についての授業」は、予想以上にハイレベルな内容で声優陣も苦戦を強いられていました。

1問目の「“ダークシー”とは何のこと?」という問題では、置鮎さんの「暗い海?」という言葉を皮切りに「暗い海にいる女の子(she)」(赤羽根さん)、「ダークA、ダークBときてダークC?」(菅沼さん)など、思い思いの回答が。

正解は「明治以前の日本の夜の海」のこと。日本の海岸線は入り組んでいて座礁や事故の危険性が高かったため、海外の各国からは「ダークシー」と呼ばれていたのだそうです。

2問目は「117」という数字の意味。時報のダイヤル番号以外にあるの!?という声も上がりながら、「灯台って“いいな”(117)」(粕谷さん)、「灯台を造るときに高さ117メートルで統一した」(菅沼さん)、「灯台がつくられる前に発生していた海難事故の件数」(赤羽根さん)などかなり真剣な回答も。最後は置鮎さんが「なくなってしまった灯台の数」と回答し、これが正解。

この10年間で廃止された灯台の数は117基。GPSの普及などにより航海の安全性が高まるとともに、役目を終える灯台も。そのまま解体を待つのではなく、観光資源として再活用できないかと検討する自治体も増え始めているのだそうです。

3問目は写真を見て「どこから撮った写真か」を当てる問題。出演者もモニターにググっと近づいて「海野さんの自宅」「別荘」など口々に回答。「海外です」というヒントを得て様々な地名が飛び出したものの、正解はなし。

正解は「イギリスのベル・タウト灯台」。1902年の廃止からホテルとして改修された灯台で、実際に宿泊することも可能な灯台です。クロアチアには灯台ホテルが11基あり、人気スポットになっているのだとか。日本でも北海道の鴎島灯台のそばでマリンピング(マリン+グランピング)の取り組みが行われるなど、宿泊施設としての活用の可能性も探られています。

授業を終えて、改めて灯台への関心がわいた・可能性を感じたという出演者のみなさん。さらに海野常務理事も「灯台の本来の役割は海難事故の防止ですが、それ以外に今は観光という切り口もあります。そのためには異分野とのコラボレーションが必要不可欠。特にアニメや漫画、音楽、映像など、エンターテインメントとのコラボレーションが必要です。若い世代の方々が灯台へ興味を持ってくれたり、灯台の新しい魅力や役割が生まれるのを期待しています!」とコメントし、トークライブは終了となりました。

続いては豪華声優陣による声劇「燈の守り人~明治開国編~」。実際に灯台に残る歴史やエピソードをベースにした新解釈の脚本によるライブ朗読劇が繰り広げられ、出演声優の発するひと声ひと声がキャラクターにリアルな命を与え、聴く人を物語の世界へ引き込んでいきました。

「燈の守り人」プロジェクトは今後も漫画や朗読劇など多方面に展開予定。灯台の新たな可能性を生み出すコンテンツとして、さらなる飛躍が期待されています。

 

取材:藤堂真衣