「灯台は昼間も真っ白な姿が航路の目標、見えると安心」地元に欠かせない道しるべ【岩手県大船渡市 碁石埼灯台】

2022/03/06

2021年11月1日~8日に実施された「海と灯台ウィーク」。灯台と私たちの結びつきを再認識するきっかけともなるこの期間に、全国各地の灯台に縁ある方々の話を伺う「灯台応援動画」が制作されました。今回は、末崎半島の先端、碁石岬に佇む碁石埼灯台を有する岩手県大船渡市で、漁船を使った遊覧船運航・ワカメ養殖を営む碁石遊覧船組合の熊上安夫さんにお話を伺いしました。

―灯台に関心・興味を持たれたきっかけ、灯台の思い出を教えてください。

熊上「碁石埼灯台ができたのは私が小学生の時でした。タイル貼りの灯台はまだ当時、建物として珍しかったです。小中学生の時は灯台の近くで野球をして、いつもそばを通っていた。少年時代から灯台の光は常に記憶の中にあります。灯台の役割については、幼い頃に兄から教えてもらってそれが関心を持つきっかけでした。家の漁業の手伝いをしている時に、灯台の光を頼って創業していたことを覚えています」

―灯台への関心はどのように深まったのですか?

熊上「60歳になって漁師になり、養殖作業の合間に遊覧船運航をするようになりました。遊覧船が最初に通るのが碁石埼灯台の下で、その紹介から始まるので、ひとつのポイントになっています」

―碁石埼灯台についてのエピソードを教えてください。

熊上「碁石埼灯台は『恋する灯台』に認定されているので、若い人には特にそれをアピールしています。遊覧船に乗る男女のお客さんは、恋人かと思ってもそうでな
い可能性もあるので、声をかけるのに困ることもありますね。2人の雰囲気を見て判断して『灯台にも寄ってみては?』と声を掛けたりしています」


―熊上さんにとって灯台はどのような存在でしょう?

熊上「漁船の安全な出入りのための目標物です。夜に光るというだけでなく、昼間も真っ白な姿が目標になりますし、見えると安心します

―地元の未来にとって灯台はどのような存在になり得ると思いますか?

熊上「せっかく『恋する灯台』に認定されているので、それを活用していきたいと思っています。いろいろとアイデアはあるのですが、まだ発展途上だというのが正直なと
ころです。恋人が訪れるスポットなどとして取り上げていただける場所になっていければと。灯台で結婚式を挙げてもらうなど、そういった若い方々がいると知名度も上がるのではないかと期待しています」

熊上さんが碁石埼灯台を紹介する動画もあわせてぜひチェックしてみてください。