「一緒に撮影できるようなモニュメントを」灯台の歴史と、さらなる活用を見据える人々【秋田県男鹿市 入道埼灯台】
2022/03/072021年11月1日~8日に実施された「海と灯台ウィーク」。灯台と私たちの結びつきを再認識するきっかけともなるこの期間に、全国各地の灯台に縁ある方々の話を伺う「海と灯台学」を編纂する活動が全国で実施されました。今回は、秋田県の入道埼灯台(男鹿市)について秋田海上保安部の富岡忠幸さん、男鹿市観光文化スポーツ部観光課の髙橋真里香さん、なまはげ御殿ニュー畠兼の畠山光義さんにお話を伺いしました。
―灯台に関心・興味を持ったきっかけを教えてください。
富岡「この仕事に就いて、業務の中で歴史を学んだことによって関心や興味が深まりました」
畠山「灯台は昔から当たり前の様に身近に存在していたものなので、気が付いたら興味を持っていたという感じです」
―灯台について詳しいと自負する分野を教えてください。
富岡「灯台の歴史や技術についてです。入道埼灯台は、日清戦争に勝利した日本が遼東半島を領土としたことに危機感を持ったロシアが、フランス・ドイツと共に返還を迫ったことに対抗し、早急にロシアへの航路を整備するため建設された灯台のひとつです。当時、国内初の官営製鉄所として八幡製鉄所が作られ、製鉄が勢いを増していたこと、早急に灯台を建設する必要があり、初代の灯台は鉄製となっています」
髙橋「灯台の立つ場所や産業、イベントなどについてです。男鹿半島の最北端に位置する入道崎は日本海の絶景スポットで、灯台はなくてはならない存在です。秋田海上保安部と共同で灯台まつりを開催したり、大海原を明るく照らし航海の道しるべとなる灯台にあやかった縁結びアイテム『ご縁の道しるべ』の販売、入道埼灯台をイメージした白
黒のパフェ『おがパフェ』の製作も行っています」
畠山「灯台とその周辺の観光についてです。灯台の周りで飲食店を営んでいるので、灯台があることでお客さんが来てくれます。『灯台にのぼってみては?』と勧めると『疲れたけど、景色が見られてよかった』『またのぼりに来ます』と感想をいただきます。灯台を見ながらご飯を食べようとういう方も多いです」
―みなさんにとって「灯台」とは?
富岡「地元の人に愛されている場所で、みんなで守っていくべき存在です」
髙橋「小さい頃によく連れてきてもらっていました。母のような存在だと思います」
畠山「灯台があるおかげでお客さんに喜んでもらえますし、それが私たちの仕事の励みになっています」
―今後、灯台を地元で活用するために必要なことはなんでしょう?
髙橋「男鹿市では、市内の観光スポットにモニュメントを設置する事業を進めています。入道埼灯台にも設置を予定しており、一緒に撮影できるようなモニュメントを設計中です。日本に16基しかない参観灯台のひとつですので、ぜひ上って入道埼の絶景を楽しんでほしいでし、『おがパフェ』も併せて味わって頂けたらと思います」
畠山「夜にライトアップなどを行い、綺麗に見えるようになったらさらに多くの方が灯台に来てくれて、より灯台の魅力が伝わるかなと思います」
こうした思いを語るみなさんが入道埼灯台を紹介する応援動画もあわせてぜひチェックしてみてください。