「灯台は、海を航行する人々に安心感を与える」100年以上、灯台を守り・支えてきた会社が思うこと
2022/03/17灯台と私たちの結びつきを再認識する期間としても周知されつつある「海と灯台ウィーク」(2021年度は11月1日~8日に実施)。この期間に際し、海と灯台プロジェクトでは全国各地の灯台に縁ある方々の話を伺い「海と灯台学」を編纂する活動が実施されました。今回はその取材から、日本光機工業株式会社の常務取締役、谷舖孝さんに灯台の歴史とこれからの在り方について伺ったお話を公開します。
―灯台に関心・興味を持ったきっかけを教えてください。
谷舖「灯台の絵を描くと、皆さん灯台から円錐の光が出ている絵を描きます。どうして皆同じ絵になるのだろう、と不思議に思っていたのですが、閃光レンズがゆっくり回転しているからだという理由が分かって興味を持ちました」その後、日本光機工業に入社して、灯台の灯りの強さの測定に参加してガラスレンズを見た時に、その大きさと精巧さに驚かされました」
―お仕事を通じて、灯台の仕組みを知っていくなかで感じたことなどはありますか?
谷舖「灯台のレンズを支えている金属部を骨子といいますが、初めて灯台を見た時に、骨子が丁寧に磨かれて黄銅色に輝いているのを見て、海上保安庁の職員の皆さんに大切に扱われているのだと感動しました」
―灯台について詳しいと思う分野を教えてください。
谷舖「灯台の点灯・消灯及び回転機構等の制御です。灯台は古代から存在しますが、かつては松明や焚火を使用していました。日本では、江戸時代になって行灯等を利用した和式の灯台が発達し、明治時代以降に近代型の灯台に移行して今に至ります。現在の灯台は自動化が進んでおり、電球の点消灯やレンズの回転が正常であるかどうかのチェックなどが自動制御によって行われています」
―灯台の建つ地域の未来にとって、今後「灯台」はどのような存在になり得ると思いますか?
谷舖「航行する船舶の安全を守るということが灯台の目的であり、光によって船に位置を知らせることが重要だと思っています。人は光を見ると常に安心するものですし、灯台の光は、これからも海を航行される方々に安心感を与える存在なのかなと思っています」
―航路標識の枠を越えて、「灯台」を地域で活用するためには何が必要だと思いますか?
谷舖「観光灯台として活用するため、一般公開ができる灯台の基数を増やすことが必要だと思います」
日本光機工業のみなさんの作業風景も映した映像も、あわせてぜひチェックしてみてください。