「観光やイベントに注力し、地元に愛してもらうことも必要」設置150年を迎えた灯台、次の150年に向けて【山口県下関市 六連島灯台】

2022/03/28

灯台と私たちの結びつきを再認識する期間「海と灯台ウィーク」(2021年度は11月1日~8日実施)に際し、海と灯台プロジェクトでは全国各地の灯台に縁ある方々の話を伺い「海と灯台学」を編纂する活動を実施されました。その取材から、今回は山口県下関市の六連島灯台について、海上保安庁 門司海上保安部の橋川秋彦さんに伺ったお話をお届けします。

―灯台に関心・興味を持ったきっかけを教えてください。
橋川「海上保安学校で灯台科に所属し、灯台の役割や歴史を学ぶと共に、古い灯台にあるフレネルレンズから発せられる優しい光に魅了され、灯台への関心・興味が深まりました」

―灯台について詳しいと思う分野を教えてください。
橋川「門司海上保安部所管の灯台についての歴史や役割です。所管する灯台は角島灯台、特牛灯台、蓋井島灯台、大藻路岩灯台、六連島灯台、部埼灯台の6基です。中でも六連島灯台は1867(慶応3年)に兵庫開港に備えて英国公使と約定した5灯台の1つで、イギリス人技師リチャード・ブラントンの設計により1870年(明治3年)に着工、1872年1月1日(明治4年11月21日)に点灯しました。山口に現存する最古の灯台で、現存する明治期の灯台では全国でも4番目に古いものです。外観は築造当時の状態をほぼ保っており、2020(令和2年)12月に国の重要文化財に指定されました。このような無塗装の灯台は、現在は角島灯台(山口県)、男木島灯台(香川県)を含め計3基のみです。材料となっている石材や木材は山口県徳山から運搬されたと言われています。1979年(昭和44年)に無人化されるまでは灯台守がいました」

―あなたにとって灯台はどのような存在ですか?
橋川「守るべき存在です。船舶にとって最終的な確認は目視になり、航海計器が発達しても重要性は変わらないと思います」

―地元の未来にとって灯台はどのような存在になり得ると思いますか?
橋川「船の位置を知るための重要な標識であり、地元の方にとっては地域のシンボルや観光資源になり得ると思います」

―今後、灯台を地元で活用するためにどのようなことが必要だと思いますか?
橋川「今年は六連島灯台150周年の年でもあるので、次の150年に向けて観光やイベントに力を入れています。そういったイベントなどを通じて、地元の方に愛してもらうことが必要だと思っています」

橋川さんが六連島灯台について紹介する動画もあわせてご覧ください。