海洋教育イベント始動!「みらいジュニア研究員(春)」開催【北海道江差町 鴎島灯台】
2022/06/03北海道文化発祥の地といわれる江差町。鴎島灯台が建つ町のシンボル“かもめ島”では、「かもめ島マリンピング~海と日本PROJECT~」と銘打つ持続型プログラムが開催されています。
そしてこのほど海洋教育イベント「みらいジュニア研究員」が始動。こちらは町内の小学5~6年生を対象とする通年プログラムで、かもめ島を拠点とする春・夏・秋・冬の年4回の講座を通じて、子どもたちが海洋環境や生態系について学んでいきます。
2022年度は北海道大学の助教・東条斉興先生の専門的な知見を通じた楽しい解説と、“江差協力隊”として登録してくれた東条ゼミの留学生のサポートも受けながら、6家族14名の子どもたちが「生物データベース作り」に挑戦します。ラストとなる1月の冬講座では江差町長から終了証が授与されるとのこと。
それでは5月15日(日)に開催された春講座を皮切りに、いざジュニア研究員としての活動スタートです!
まずはアイスブレーキングとなるゲームから。自分の背中に貼られたカードに描かれた“生き物当てクイズ”です。もちろん直接的な答えを聞くのはNG。制限時間2分でヒントを集め、最後に自己紹介も含めて名前と一緒にカードの生き物の名前を発表します。ここでは日本語を話すことができるベナンと台湾からの留学生も一緒に参加しました。
ほどよく緊張がほぐれたら、鴎島灯台に見守られながら、かもめ島の生物観察に出発です。ジュニア研究員たちは生物を発見しては記録する~という作業を根気よく繰り返していきます。解説と写真撮影を担当してくれたのは付き添いの大学生さんたち。今回は珍しい生き物データの採取にも成功したとのことで、初回からジュニア研究員の大活躍となりました。
「今回作成された観察シートはこちらでお預かりして、江差町のホームページに掲載している『生き物マップ』にデータとして追加していきます。4回の講座を通じてどんどんと地図ができあがっていくので、最後に成果としてみなさんにお見せする予定です」(江差観光コンベンション協会「かもめ島マリンピング運営事務局」の宮崎拓馬さん)
この『生き物マップ』は、昨年10月に実証実験を兼ねて開催された学習イベント「かもめ島研究員になろう!」から作成していたもの。シーズンごとのデータを蓄積していくことで、将来的に学習や研究ツールとして活用していく試みなのだとか。
そしてプログラムの最後は東条先生の特別講義が開校。今回は「海と陸とのつながり」「江差の海と世界の海」というテーマでお話をしていただきました。
さらにこのイベントでは、鴎島灯台内部の特別公開のサプライズも。ジュニア研究員たちは大海原とかもめ島を一望できる絶景体験もして、有意義な学びと大自然を満喫しました。
「『普段なかなか見られない生き物が観察できて楽しかった』という意見や、保護者の方から『子どもをなかなか海に連れてくる機会がなかったので、いい経験でした。次の夏場も期待しています』との声をいただきました。夏講座では、水中ドローンを使った水中観測を予定しているため、現在準備を進めています。夏ならではのイベントにしたいということで、このほかにも様々な企画を計画中です」(同)
次回の夏講座が楽しみですね。ジュニア研究員たちの今後の活躍にご期待ください!
取材:足立美由紀