60年ぶりに里帰りした国内唯一の灯台レンズが一般公開!【北海道積丹町 神威岬灯台】
2022/09/28積丹半島の先端に建つ、アイヌ語で“神”を意味する神威(カムイ)の名を持つ神威岬灯台。1888年(明治21年)に初点灯された、現存する北海道の灯台の中で5番目に古い灯台です。
昨年積丹町に里帰りした神威岬灯台の第一等不動レンズが、8月26日から神威岬自然公園内にある観光施設「カムイ番屋」2階で一般公開されています。
今回、60年ぶりに里帰りを果たしたレンズは1923年(大正12年)から1960年(昭和35年)まで活躍し、その役目を終えてからは大阪で展示・保管されていたもの。フランス製のフレネル式で、神威岬灯台のレンズとしては2代目です。
高さはおよそ3.05メートル、ガラスだけでも70キロとたいへん大きく、現存する大型レンズとしては国内で唯一のものなのだそう。
そして施設内では「灯台の役割」についての資料や当時を伝える機材なども展示されていて、神威岬灯台にまつわるさまざまな歴史が学べます。
積丹の海の安全を130年以上にわたって見守り続けてきた神威岬灯台、そして灯台に関わった多くの方々の当時の息吹が感じられる貴重な品々に胸が熱くなりますね。
また、神威岬灯台の初点灯日にあたる8月25日(木)には一般公開に先駆け記念式典が開催。この式典にあわせて灯台の一般公開も行われました。
「記念式典はレンズ所有者である燈光会さん、小樽海上保安部さんなど灯台に関わる来賓を招いて行いました」(積丹町役場商工観光課・事務局)
さらに、この一般公開にあわせてレンズの里帰りを記念したオリジナルフレーム切手「神威岬灯台第一等不動レンズ里帰り記念」の発売もスタート!
「2018年には『初点灯130周年』を記念したオリジナル切手が発売されましたが、それに続いての記念切手となります」(同)
申込受付数500シート、北海道一部地域の郵便局のみでの販売という希少価値が高いこのオリジナルフレーム切手、お土産にしたら旅の思い出としても話が弾みそうですね。
なお、現在展示中の「第一等不動レンズ」が観覧できるのは今年は10月末まで(※「カムイ番屋」の営業期間に準拠)。積丹ブルーの大海原の絶景も楽しみつつ、神威岬灯台の歴史を学ぶ秋旅はいかがでしょうか。
取材:足立美由紀