海と灯台の絶景空間でくつろぐ「灯台ホリデイ」を実施しました【北海道函館市 恵山岬灯台】

2024/02/01

日本財団「海と日本プロジェクト」の一環である「新たな灯台利活用モデル事業」の助成を受けたイベント「灯台ホリデイ in 恵山岬灯台公園」が、2023年10月7日(土)~11月19日(日)の隔週土日祝、計10日間にわたり北海道函館市の恵山岬灯台公園で開催されました。

灯台ホリデイとは

①知られざる恵山岬灯台の物語で知的好奇心を満たす
②海・灯台・活火山がおりなす空間での“チル”(まったりくつろぐ)体験
③割引や特典サービスが受けられる近隣の温泉・飲食店・店舗などを巡る

という3つのコンテンツを通して、函館東部エリアならではの休日を満喫する「地域の魅力再発見イベント」です。

 

イベント概要

【イベント名】
 灯台ホリデイ in 恵山岬灯台公園

【主催】
 恵山岬灯台活用協議会 

【共催】
 日本財団 海と日本プロジェクト

【実施日】
 2023年10月7日(土)~11月19日(日)の隔週土日祝、計10日間

【会場】
 恵山岬灯台公園(北海道函館市恵山岬町)

【参加費】
 1人1,500円(事前予約で500円割引)

【参加費に含まれるもの】
 ①灯台散策ガイドツアー 約30分
 ②チェアリング体験(快適な椅子の貸し出し、ドリンク1杯と菓子付き)
 ③対象店で特典や割引が受けられる「灯台パスポート」

【参加者延べ人数】
 約300人

 

実施体制

地域住民・行政(函館市)・地域の企業などで構成する任意団体「恵山岬灯台活用協議会」が企画し、灯台がある椴法華(とどほっけ)地区に移住・Uターンした20~30代の若者たちが運営の中心を担いました。

 

実施目的

函館市郊外の東部地区は自然豊かで、サーファーの聖地といわれる銚子海岸、荒涼とした山肌が広がる活火山「恵山(えさん)」、海の中から温泉が湧き出している天然露天風呂「水無(みずなし)海浜温泉」など数々の魅力にあふれています。その反面、函館市の中でも特に人口減少と高齢化が進んでいます。
「灯台ホリデイ」は、恵山岬灯台の価値や魅力を地域住民が主体となって発信することで、函館市東部エリア全体の活性化につなげることを目的に実施されました。

 

灯台ホリデイを構成する3つの体験について

①灯台散策ガイドツアー 約30分
1890(明治23)年に初点灯し、北海道の発展に大きく寄与した恵山岬灯台の物語や、自然景観を地元ガイドが案内しました。


②チェアリング体験

屋外に座ってのんびりくつろぐアウトドア「チェアリング」を体験するためのイスを参加者に無料で貸し出すと共に、ドリンク1杯とお菓子(トラピストクッキー)を提供しました(参加費内)。太平洋と日本海の2つの海とその境界に白く輝く恵山岬灯台、活火山・恵山の勇壮な姿など、ここだけの絶景を楽しみながら「何もしないひと時」を過ごしました。

③灯台パスポートを活用した函館東部エリアの周遊

函館東部エリアの店舗・施設に提示すると特典や割引が受けられる「灯台パスポート」を参加者に進呈。帰路も寄り道しながら周辺エリアの観光を楽しめるようにしました。

参加者には、恵山岬灯台をイラスト化した千社札風の灯台シールをプレゼント。2回目の参加でもらえるゴールドシールも用意し、リピート利用を促進しました。

 

さらに会場では……



マルシェ(飲食、海産物販売)
縁日コーナー
薪割り体験
ドッグラン
キッチンカー出店
などのお楽しみ企画が提供されました。

 

参加者の声

「恵山岬灯台公園からの噴火湾の眺めと椴法華の海と山の幸に癒やされ、地域を盛り上げたいと熱い思いを持った若者たちに元気をもらえました」

「すごく良かった。椴法華地区の若い世代の熱意が伝わってくる良い取り組みだね」

「晴れた日の恵山岬灯台、絶景です」

「灯台があることも知らなかったがすごくすてきだなと…」

「かわいいガイドさんと楽しくお話をさせて頂いて、素敵な思い出が出来ました。また是非参加したいと思います」

 

函館市長も参加

灯台ホリデイ初日には、大泉潤函館市長も参加。ガイドツアーに参加した後に海と灯台を眺めながらチェアリングし、「座り心地いいですね。これ(チェアリング)は、はやる理由がわかる。最高だな」と絶賛していました。

 

運営スタッフによる振り返り

「20~30代の同世代とひとつのことに取り組めたのが嬉しかった。準備や集客、満足度向上など、その都度みんなで話し合えたのが良かった」

「参加者の皆さんに喜んでもらえた。地元・椴法華の新しい一面をお見せできたのが嬉しい」

「10日間にもかかわらず、リピーターの方がいてくださったのが意外で、嬉しかった。そういう方を増やしていきたい」

「ゼロからイチを創りだすことができた。集客数やコンテンツの中身など課題は多いが、今年度は最初の一歩。あとはブラッシュアップしていくだけなので、可能性しかない」

「参加者や共にがんばったスタッフ、ご支援いただいた企業やお店、個人サポーターなど、人脈ができたことが財産。来年は夏休みの時期に実施し、このイベントを地元に根付かせていきたい」

 

今後の展開

今年度は「新たな灯台利活用モデル事業」の助成を受けて実施しましたが、今年度の初期投資や取り組みを経て、2年目以降は自走化できる目途が立ったとのことです。2024年度は夏季の開催を目指し、「灯台ホリデイ」実施の準備を進めています。

あわせて、灯台利活用を考える国内の他地域に向け、最小限の設備投資と少人数のスタッフで運営でき、なおかつ地域を巻き込むことができる灯台ホリデイのノウハウを広げる活動にも取り組んでいるとのこと。これを受けて、3月には愛知県美浜町の野間埼灯台で国内2例目の灯台ホリデイが開催される予定です。

写真提供・取材協力:恵山岬灯台活用協議会
文:佐々木康弘