「犬吠埼灯台ジオツアー」で灯台とまち歩きの相性の良さを発見

2024/04/17

犬吠埼灯台(千葉県銚子市)を中心に、灯台と銚子ジオパーク、銚子の歴史的な街並み、江戸時代に花開いた醤油文化などを楽しむまち歩きイベント「犬吠埼灯台ジオツアー」が2024年3月2日(土)に開催されました。

地理を女性の視点から盛り上げ、地域活性化につなげることを目的に活動する団体「地理女net」の主催。参加者はまず銚子駅から銚子電鉄で犬吠埼に向かい、犬吠埼灯台と灯台に隣接する資料展示館を訪ねました。

犬吠埼灯台は、日本の灯台の父として知られる英国人技師ブラントンが設計した、文化財的価値の高い灯台。参加者は灯台内部の99段の階段を上り、灯台のバルコニーへ。眼下を見渡すと、切り立った断崖とごつごつとした岩が広がる荒々しい海岸線に波が打ち寄せ、絶え間なく波しぶきが上がっています。

これらの岩はおよそ1億2000万年前にできたもので、犬吠埼灯台自体もこの硬い岩石の地層の上に立っているとのこと。

銚子独特の地層をさらに見学するため、灯台を下りて周辺を散策。犬吠埼周辺にはかつて石切り場があり、ここで切り出された石(砂岩)は建築資材や砥石などとして活用されていたそうです。

続いて、「灯台キャベツ」のブランドで知られるキャベツの産地、外川地域を歩きます。

外川はもともと漁業の街で、どの坂からも漁港が見えるように街が作られています。

外川駅から銚子電鉄に乗り、銚子駅へ。醤油醸造元の「銚子山十」を訪ねます。大豆・小麦・塩の産地が近くにある銚子は江戸時代から醤油づくりが盛んになり、利根川を活用して大量の醤油を大消費地の江戸に出荷していたといいます。

房総半島沖は流れが早く波も複雑で、当時から海の難所として知られていました。そのため、房総半島を大回りせず安全に江戸へ物資を輸送できる利根川水系は、江戸時代から明治にかけて関東の大動脈として栄えたそうです。

一方、難所とされた房総半島の東端には明治に入ってから犬吠埼灯台が築かれ、外海を航行する船の安全を見守ってきました。

この日の「犬吠埼灯台ジオツアー」は、ここで終了。灯台を起点にその土地を巡ることで、その場所の地理や歴史、文化をより深く知ることができ、「灯台+まち歩き」の可能性をますます感じた一日になりました。