水仙の花が咲き誇る岡山県最南端の島で瀬戸内海の難所を照らす 【岡山県笠岡市 六島灯台】

2023/03/28

岡山県の南西部、瀬戸内海に浮かぶ笠岡諸島には大小合わせて31の島があり、その多くは瀬戸内海国立公園に指定されている。7つの有人島のうちの1つである六島には、笠岡市のシンボルとも言える岡山県最古の灯台、六島灯台がある。1月から2月にかけて灯台の周辺に群生している約10万本の水仙の花が咲き、この時期には白と黄色の可憐な花々を見るために多くの人が日帰りの水仙ツアーに足を運ぶ。そのため、六島は「灯台と水仙の島」としても有名だ。また、作家・横溝正史の代表作である金田一耕助シリーズ『獄門島』の舞台とも言われ、1977(昭和52)年に映画化された際には現地で撮影が行われた。

1922(大正11)年に運用が開始された六島灯台は、昨年2022(令和4)年でちょうど100周年を迎えた。笠岡市役所観光商工課の中山千菜美さんは、六島灯台について「岡山県の最南端に位置しており、この海域の安全を見守り続けてくれています」と説明する。笠岡諸島の近海は古くから潮の流れが速く海難事故の絶えない海域として知られており、瀬戸内海を行き交う船の道標として六島灯台が果たす役割は大きい。

メンテナンスの観点から全国の灯台でLED灯器への移行が進む中、六島灯台では昔ながらのフレネルレンズが今なお採用されている。中山さんは「100周年を迎えた六島灯台ですが、この先の100年も皆さんに愛される灯台になるよう、私たちもしっかりと守っていきたいと思っています」と、歴史ある地元の灯台への思いを語った。

 

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