地元に住む元航海士も認める三陸海岸でも随一の存在感と重要性 【宮城県石巻市 金華山灯台】

2023/03/28

「三陸沿岸を北上するにせよ南下するにせよ、このあたりでもっとも重要な灯台は金華山灯台なんです」

そう語るのは、宮城県石巻市鮎川浜に住む鈴木正利さん。長く国内航路でタンカーの航海士を務めた鈴木さんは、退職後も地元の鮎川を拠点とする海上タクシーの航海士として活躍した、ベテランの「海の男」だ。

「だいたい3ヶ月から4ヶ月の間はずっと船の上で過ごして、(陸に上がっても)1ヶ月くらい休んだらまたタンカーに乗って、その繰り返しでしたね。それを40年間続けていました」

 その航海士としての長い経験からも、地元である金華山灯台は航行する船にとって非常に重要なのだと実感しているという。「関東を出港して犬吠埼をまわると針路を北に向け、金華山灯台のポイントでまた北海道に向けて針路を変えるんです」と、実際の航海で灯台をどのように道標としていたのかを語ってくれた鈴木さん。

「夜間は特に安心できますよね。今の技術だとGPSやレーダーなどもありますが、灯台を見ることで自分の船の位置や針路を確認することができます。金華山灯台は光の到達距離が長い(20海里/約37km)で、その光を一瞬見ただけでもわかります」と、電子技術を用いた機器が発展した現在であっても灯台が果たす役割は大きいと話す。1876(明治9)年に初点灯してから、もうすぐ150周年を迎えようかという歴史ある金華山灯台は、これからも三陸沖の海上交通を変わらず見守り続けることだろう。

 

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