地元小学校の校歌にも歌われた灯台 若い世代との協力で魅力を再発見 【鳥取県鳥取市 長尾鼻灯台】

2023/03/31

鳥取市青谷町にある長尾鼻灯台は、鳥取県のほぼ中央に位置する岬に立つ高さ約13メートル(地上から灯台頂部まで)の灯台だ。1953(昭和28)年に「夏泊燈柱」から改良・改修され点灯を開始、今年でちょうど70周年を迎える。

「海を航行している船舶に対して光を届け、それによって自分の位置を知って安全な航行をしてもらうのです」と灯台の役目について説明してくれたのは、境海上保安部次長の平山浩さん。

また、鳥取市役所青谷町総合支所地域振興課の松原雅彦さんは「長尾鼻灯台は子どもの頃の遊び場の近くにあり、身近な存在です」と、青谷町に住む地元住民ならではの感慨を持っている。通っていた小学校の校歌にも歌われていたそうで、自ら口ずさんで聞かせてくれた歌詞は次のようなものだ。

「長尾岬に灯がともり/果てなく続く海原の/光ひとすじ/さすところ」(旧・青谷小学校校歌)

「小学校低学年の頃までは灯台を管理する灯台守の方が住んでいて、(その家族の子どもと)一緒に遊んでいたこともありました」という思い出も語ってくれた松原さん。青谷高校の生徒に長尾鼻灯台を含む青谷地域の歴史や文化の魅力を伝える活動も行っている。「海と灯台プロジェクト」の一環として、青谷高校「青谷学」と連携して実施している「青谷長尾鼻灯台利活用八良い(弥生)事業」がそれだ。

調査研究の結果を踏まえ、生徒がストーリーを作り「マンガ化」し、青谷の魅力を広く発信する取り組みで、若い世代だけでなく地域全体で灯台を見直すきっかけになれば、と考えているそうだ。

「青谷といえば海、青谷といえば長尾鼻、青谷といえば灯台。50年、100年先でもシンボルで在り続けるものだと感じています」と力強く語る松原さんの思いを、地元の若者たちがきっと受け継いでいってくれることだろう。

 

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