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灯台を擬人化!アニメ監督・糸曽賢志氏が進める「灯台×マンガ・アニメ」による地域活性化(全国灯台文化価値創造フォーラムより)

2020/02/13

2019年12月10日に行われた「全国灯台文化価値創造フォーラム」。灯台を擁する全国自治体が一堂に会し、灯台の利活用についてさまざまな意見交換や発表が行われました。フォーラムでは新たな視点からの灯台の利活用をテーマとした有識者によるプレゼンテーションも実施。大阪成蹊大学芸術学部長で、アニメ監督ぼ糸曽賢志氏からは、昨今注目を集めている「擬人化コンテンツ」を切り口に、コンテンツのファンが灯台を訪れる“聖地巡礼”の仕掛けづくりについてプレゼンテーションがありました。

糸曽氏はクラウドファンディングを活用して作品の制作を行っており、「人を巻き込むこと・自分事としてとらえてもらうこと」の重要性を知る人物でもあります。現代の作品制作において、ただ作品を提供するだけではなく、そこに加わってもらうこと、仲間になってもらうことこそがムーブメントを起こすカギだと語ります。

一方で、大学教授として日々学生を触れ合う中で糸曽氏が感じているのが「若者が日本の未来に希望を抱いていない」ということ。その背景には「成功体験がない」ことが考えられると指摘しました。「自分なんか、と思っている学生が非常に多い。だからこそ学生には、実際の社会とつながるようなプロジェクトに参加してもらい、自分の描いた絵や作ったものが誰かの役に立つという成功体験を積んでほしいと考えています」

 

自身の作品には人気の声優や話題の有名人を起用し、作品が内包するテーマや問題意識をより多くの人へと届けることに注力しているという糸曽氏。灯台を活用した取り組みとして「コンテンツ化」を提案しました。

2015年のゲーム配信スタートから多くの女性ファンを獲得して社会現象化し、アニメや舞台などの多彩なメディアミックスもされている作品「刀剣乱舞」は、これまで女性に関心を持たれることの少なかった「刀」という分野を切り口としてブームを起こすことに成功した好例として挙げられます。

 

数々の日本刀を擬人化し、それぞれにファンが生まれることで「実際に見に行きたい」「もっと深く知りたい」という興味関心を呼び起こします。実際に、作中で人気のキャラクターである刀の展示には多くのファンが訪れ、また現存しない刀を復刻するプロジェクトのクラウドファンディングにも多くの支援が寄せられました。

 

刀は全国に点在していますが、こうした点が作品によって線となり、ファンの動きが活発になっていくのが理想的であると糸曽氏は続け、こうした動きを灯台でも作ることができるのではと提案します。

「2019年の夏に、学生に声をかけて国内にある51基の灯台をアニメーションイラストにした絵葉書をデザインしてもらいました。この絵葉書を海と日本プロジェクトの『灯台を巡ろう!キャンペーン』のノベルティとして配布し、様々なメディアでも取り上げていただきました。灯台やプロジェクトの宣伝効果だけでなく、学生たちはそうした反応を見て『自分にもできるんだ』と成功体験を積み重ねていくことができます」と、キャンペーンによる灯台と学生、双方へもたらされる効果にも言及。

 

糸曽氏は、今後の取り組みとして灯台の擬人化プロジェクトを紹介。「灯台にはそれぞれ異なる歴史やストーリーがあります。こうしたストーリーを知ってもらい、灯台が直面している様々な危機を知ってほしい。そして実際に灯台を訪れたり、グッズを集めたりといったファンによるムーブメントを起こし、漫画やデジタルアートの側面から灯台文化価値の創造に貢献できたらと考えています」と締めくくりました。