「恋する灯台・せとしるべ」の魅力に浸る写真展【香川県高松市 高松港玉藻防波堤灯台】
2019/09/26高松港(香川県)は、神戸ヘ向かうフェリーや高速船をはじめ瀬戸内の島々に至る船も往来する、高松の海の玄関口。港から伸びるのは長い防波堤。540mにも及ぶ「玉藻(たまも)防波堤」の先端に、「高松港玉藻防波堤灯台」があります。
高松では1964年の「高松港西防波堤灯台」として初点灯し、建物の色合いから「赤灯台」の通称や、「せとしるべ」の愛称で親しまれています。
2016年には日本ロマンチスト協会に「恋する灯台」として認定され、昨年には市内のレストランと灯台を往復するウォーキングを通じた婚活支援イベントが実施されるなど、ロマンスの聖地としても注目を集めつつあります。
防波堤の上の遊歩道を歩いてたどり着く灯台の見どころは、やはり灯台が赤く輝き始める夕方以降。
高松港玉藻防波堤灯台は全体が赤いガラスブロックでできている珍しい灯台で、昼間はレンガ造りのように見えますが、夜になると中に光がともり、幻想的な光が港の夜景を彩ります。デートスポットとしてもこの上なく魅力的ですよね。
そんなロマンスの聖地・高松港玉藻防波堤灯台を撮り続けてきた写真家・森川輝男さんの写真展「恋する灯台『せとしるべ』」が9月29日(日)まで開催されています。
高松市内のギャラリー・アートプラザで、森川さんが撮影した「せとしるべ」の写真を集めた展示が行われています。
地元・高松出身で、灯台にも深い親しみがあるという森川さん。「高松港は多くの船が行き交う海の要衝で、せとしるべはその中心ともいうべき存在。港の中を行き交うには高い操舵技術が必要ですから、船が入港してくるところや、それぞれの目的地へ出港してゆく様を見ていると、灯台という存在が港のシンボルとしてだけでなく、海上の交通安全においても大きな役目を果たしていることに気づかされます」と語ります。
灯台が「恋する灯台」に認定されたことについても、写真展の名称の通り喜ばしく感じているそうで、「『恋する灯台』に認定されたことで、高松港がますます元気になることを願っています。せとしるべのような赤いガラスブロックによるデザイン灯台はとても珍しいので、ぜひ多くの人に訪れていただきたいです」と語ってくださいました。
写真展では、高松港を行き交う船が灯している明かりをとらえた作品を中心に19点を展示。灯台の輝き、船の灯にはカメラがとらえた瞬間ならではの芸術性、物語性があり、「恋する灯台」としての深い魅力に気付かされます。
灯台を中心に船が残していった光の跡が浮かび上がり、幻想的な作品になっています……。
森川さんによれば、せとしるべを鑑賞するのは日没後すぐの薄暮の時間帯がオススメとのこと。2人で防波堤を歩きながら、暮れなずむ空の青色とにじむような赤い光を放つ灯台のコントラストに、ロマンチックな夜に浸るのもよさそうです。