能生港灯台「政府から自治体管理となった灯台利活用と課題」 (全国灯台文化価値創造フォーラムより)

2019/12/27

2019年12月10日、灯台のある全国自治体が一堂に会し「全国灯台文化価値創造フォーラム」が開催されました。自治体による灯台利活用の先行事例について考察する「CASE STUDY」として、新潟県糸魚川市の能生商工会で副部会長・磯貝俊英氏により、「政府から自治体管理となった能生港灯台の利活用と課題」について発表がありました。

能生港灯台は昭和24年、能生町によってその前身となる「能生港灯柱」が設置され、昭和26年には海上保安庁に管轄が移管されています。

 

その後、2016年に最初期となる全国20カ所の認定灯台の1つとして「恋する灯台」宣言。しかしそれと同時期に、灯台としての役割や必要性の低下から国により廃止の方針が出されます。

磯貝氏は力強い声で「廃止の方針を受けた市は、能生港灯台が『恋する灯台認定をいただいていること』そして『地域住民にとって能生港灯台は能生のシンボルである』との声を受け止め、灯台を市で買い取る決断を下しました」と、当時の能生港灯台のターニングポイントについて語ります。

 

これにより平成29年9月、市の管理のもと正式に“恋する灯台の町”としてPRしていく姿勢を示された能生商工会は、行政との連携を図りながら第一弾目の事業として、認定を記念する「恋する灯台モニュメント」を設置。

「弁天岩とその上に立つ灯台、赤い欄干の曙橋がモニュメントと共に全て写真に納まるロケーションに設置できた」と磯貝氏。

そして次なる事業として、弁天岩で祀られている厳島神社からヒントをもらい、恋愛成就&縁結びを祈願する「絵馬」を制作。絵馬のデザインは糸魚川で採取できる日本の国石ヒスイの勾玉を象り、2つ重ねたハートのマークにしたのだとか。

 

続いて、地域の店舗や観光スポットを紹介する「街歩きガイドマップ」の制作、商工会青年部主催の「恋活パーティ」、「曙橋のライトアップ」を実施。そして定着化した事業として「恋する灯台フォトコンテスト」や歴史ある「能生ふるさと海上花火大会」でナイアガラの滝“恋する灯台認定記念・大仕掛け”バージョンを披露する様子など、過去の事業について動画を駆使しつつ説明。

最後に今年11月に実施したばかりの「恋する灯台・絵馬掛けパネルのお披露目会および絵馬掛け式」を紹介して、これまでの事例としました。

今後の展開として、「恋する灯台広場」を拡張するなど灯台周辺の環境整備に力を入れ、「イベントなどの仕掛けを官民一体で取り組んでいきたい」と、集客への取り組み予定を述べ報告を締めました。