真珠を育む海を守りたい。「あこやのアコちゃん」ウォールアートプロジェクト【三重県志摩市 大王埼灯台】

2021/03/24

三重県志摩市・志摩半島から太平洋をのぞむ「大王崎」にたたずむのが「大王埼(だいおうざき)灯台」。

遠州灘と熊野灘を分ける岬でもあり、その荒波と入り組んだ地形から、船乗りたちが「波切(なきり)大王なけりゃよい」と謡って恐れる難所として知られていました。大正時代には50名を超える死者が出た巡洋艦の衝突事故もあり、安全を守るために灯台が建てられました。

大王埼灯台は高さ22.5メートルで、現存する灯台としては珍しい、一般の人が灯台にのぼって見学することもできる「参観灯台」でもあります。展望台から望む一面の海は、「地球の丸さがわかる」と言われるほど見渡す限りの水平線! 志摩市の温暖な気候にもめぐまれ、観光地としても人気です。

志摩市には黒潮が流れるため海の幸も豊富。多彩な漁法による漁や海女の素潜り、さらに養殖業もさかんで、真珠の産地としても有名です。

「きれいな真珠はきれいな海で育つ」。2021年初めには、美しい海の環境保全と、新たな観光スポットづくりとして、大王埼灯台にウォールアートを描くプロジェクトが実施されました。

海にすむパールちゃんと、人間の女の子・アコちゃんが美しい海をよみがえらせるために冒険に出る物語「あこやのアコちゃん」の印象的なシーンを描いた計4枚のウォールアートが登場しました。

 

「あこやのアコちゃん」のイラストを描いたのは、絵本作家・イラストレーターのナガイツトムさん。「子どもたちにもきれいな海を守ることの大切さを小さいころから知ってほしい」と、約2週間をかけてパールちゃんとアコちゃんの冒険のイラストを灯台周辺の関連施設の壁に描きました。

3月14日の完成式では、志摩市長による仕上げの筆入れも。志摩市の観光スポットとして、新たな魅力を発信するウォールアートが完成しました。

 

描かれた計4枚のウォールアートのうち、3枚は周辺施設をまわって見ることができますが、1枚だけは大王埼灯台の旧灯台守宿舎の屋根の上に描かれているため、大王埼灯台に上った人だけが見られる貴重な1枚に。

 

今後は灯台を中心とした観光PRや、同じく参観灯台である安乗埼灯台とのコラボイベントなども企画中とのこと。きれいな海でにっこり笑顔のパールちゃんを、ぜひその目で見てみてくださいね。

 

取材:藤堂真衣